#危ない! ページ19
しばらく走っていると無事キャプテン達と合流し
歩道橋を渡った所で森村さんを発見した。
葵「…! いた!好葉ちゃん!」
九坂「森村っ!」
森村さんに声を掛けるが、森村さんは聞こえていないのか、聞こえていないふりをしているのか、此方を振り向きもせずトボトボと歩いていた。
『ニャア』
ふと森村さんが通っている道とは反対側から猫の鳴き声がした。
その黒い猫は森村さんの方に行こうと恐る恐る道路に飛び出した。
好葉「ダメ…!車が!」
森村さんは猫ちゃんにそう言うが、遅かった。
大きなクラクションと共に、猫ちゃんに迫る大型トラック。
私はその光景を見て、絶句した。
好葉「猫ちゃん…!!」
そして次の瞬間、森村さんも道路に飛び出した。
天馬「危ないっ!」
九坂「やめろ!!」
葵「好葉ちゃん!」
A「森村さんっ…!」
もう、ダメかと思った。
森村さんは猫ちゃんに無駄に向かうが、普通なら彼女はそのまま轢かれると思った。
猊當未覆薛
森村さんは猫ちゃんを抱き抱えると、一瞬物凄いスピードが上がって、
気が付いたら彼女は反対側の道にへたり込んでいた。
好葉「…ウチ…今、何が…」
呆然とする森村さん。
私達は彼女の元へと駆け出した。
天馬「大丈夫か好葉?」
猫ちゃんを逃がした後、キャプテンは彼女の身を案じる。
見た所、特に怪我はなさそうだ。
九坂「すっごい動きだったな…」
A「い、いきなり、スピードが上がって……」
好葉「え…?」
森村さんは自覚が無いのか、目をパチクリさせながら此方を見ていた。
そんな森村さんの前に空野さんはしゃがみ、目線を合わせて口を開いた。
葵「好葉ちゃん…好葉ちゃんの辛い気持ち、今まで気付けなくてごめんね?」
好葉「そんな…」
葵「私、約束するから!絶対に好葉ちゃんを裏切らないって!」
空野さんの言葉に森村さんは目を細める。
葵「今すぐ信じてなんて言わない。
でも、もう一度皆とサッカーしてみない?」
天馬「そうだよっ!
このままやめてしまったらもうサッカーなんてしないだろ?
俺、サッカー好きになってほしいんだ!」
九坂「俺からも頼む。
今のアンタの動き、ぶっ飛んだぜ!
あれなら、世界の強豪にも絶対に通用する!」
そう言って、皆は頷き合う。
だけど私は素直に頷けなかった。
___そんな事言ってられるのは今のうち。
所詮、人なんて皆、同じなんだから___
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くにとび(プロフ) - こんばんは~ (2014年9月11日 20時) (レス) id: 8081e2eb22 (このIDを非表示/違反報告)
美薫(プロフ) - 続編おめでとう御座います(T_T)更新、楽しみに待ってます(`∇´ゞ頑張って下さい(^o^)/ (2014年6月23日 22時) (携帯から) (レス) id: c09d542fe6 (このIDを非表示/違反報告)
狩屋ハルカ - 続編おめでとうございます!応援してます!頑張ってください! (2014年6月23日 16時) (レス) id: b968f3be84 (このIDを非表示/違反報告)
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