辻 426 ページ9
更に彼女の案内で館内を歩き回ったが
館内はとにかく広く、そして部屋の数が多かった。
構造もシンプルというワケでもないし、何より扉が同じような形なので、これはもしかしたら暫くは迷ってしまうかもしれない。
オマケに外にも小屋が2つあるらしく、そこではサーカスで曲芸をさせる猛獣達や移動用の馬、そしてサーカスで使う大道具があるらしい。
「随分と立派な館なんだな…」
「まぁね。人数も多いとそれなりに大きくなっていってしまうよ」
「よくこんな森ン中でこの館見つけられたな。
幾ら薄暗いと言えど、こんだけデカけりゃ割と目立つし。
フツーだったら何処かの富豪共の別荘になってるか、オンボロ屋敷として巷で有名になってるかだろ」
「そりゃあ、僕が創ったからね」
「……へ？」
皮肉を込めて倉間はそう言ったんだろうが、イドラのその返答には面食らったように目を見開いた。
イドラは振り返って両手を広げ、館を指し示すと
何処か得意気な顔をして言葉を続けた。
「この館、実は僕が能力で創ったんだよ。
最初はもっと小さかったんだけれど、人数が増えるに従ってどんどん創り変えて大きくしていってたら、いつの間にかこんな大きさになっちゃって」
「……」
「相変わらず凄いんだな、イドラは……」
…なんて未知数な力だ。
彼女は片手で建物まで建ててしまえるだなんて。
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ない胸を張る彼女に倉間は何処か悔しそうに彼女を見遣る。
だがすぐに彼女は踵を返して前を向くと「さぁ、おいで」とまた先導し始めた。
「次で最後の部屋さ。
そして、キミ達がこれから暮らす事になる部屋だよ」
遂にこの案内も終わりを迎えるらしい。
そう考えると、もう彼女の面白い話が聞けないんだって何だか寂しくなってくる。
いや、でも彼女の場合は言えばそういう話は山程してくれそうだ。
…問題は団員達が気安く話し掛けさせてくれるかどうか、だが。
皆が皆久坂の様な人ならば良いのだが、どちらかと言ったら瞬木のようなヤツが此処は多い気がする。
「さぁ、さぁ、さぁ、皆さん御注目。
此処が今日からキミ達が暮らすマイルームさ！」
どんどん通路の奥の方へと進んで行き、やがて彼女は行き止まりの所で立ち止まると
くるりと振り返って腕を振るい、まるて役者のように大袈裟なフリで左手を指し示した。
しかし俺達はそこを見て、目を白黒させた。
だって、そこはただの壁だったんだから。
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＊IJu＊(プロフ) - ゆきうさぎさん» コメントありがとうございます！続編来てしまいした…()これからも亀更新ですが、頑張らせて貰いますー！！ (2018年8月11日 2時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきうさぎ - 続編おめでとうございます！！楽しみにしています！これからも頑張ってください！ (2018年8月10日 15時) (レス) id: dea74ddfb3 (このIDを非表示/違反報告)
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