辻 424 ページ7
「…あれ？霧野、その頬どうしたの？傷でも作っちゃったの？」
申し訳なさで俺は視線を落としたその時、ふとイドラは自分の頬を指差しながらそう言った。
と言っても彼女が指差した方の頬は、俺が怪我した方の頬だ。
俺は顔を上げてガーゼの貼られた頬を撫でると、彼女が心配する前に答えた。
「あ…ああ、これか…？前の戦闘で、ちょっと…」
「大丈夫…？キミ、とっても綺麗な顔してるからね。目立つ所に変な傷作っちゃダメだよ」
「……うん」
無難に答えたらイドラは、フッと微笑んで安心したような表情を見せた。
ほぼ見た事のないその柔らかな微笑みに少し照れくさくなってしまったが
すぐ背後から視線を感じて、俺は顔を引き攣らせる。
…眼光もハヤブサ並なのは勘弁してほしい。
「じゃ、俺はちゃんと言われた通り出迎えしたんで、手伝いの方戻るっスね」
「ああ、うん。ありがとう隆二。
……因みに好葉は今、猛獣達を移動させてるよ」
「げぇ……了解」
イドラと会って早々に久坂は団員達の手伝いに戻るようだ。やはり今彼等は忙しいらしい。
イドラと何やら話をして苦い顔を見せたが、それでも彼は砕けた敬礼をしてその場を去って行った。
そんな彼の背中にイドラは手を振っていたが
不意に瞬木の方を見遣ると、彼女はじっと彼の事を見つめた。
「……そっちは大変なのか？」
「うん、すっごく。泣き出しちゃうし、駄々こねちゃうし…中には能力使ってる子もいる。子供慣れしてる団員も少ないしさ」
「…」
「因みに泣いてる子の中にキミの弟さんがいるよ」
「…………はァ」
瞬木は最後に呆れたような諦めたような溜息を吐くと、途端に彼の足元の�牘騰瓩�揺らいだ。
そうして下から伸びて瞬木を包み込むと、そのまま飲み込んでいき
やがて瞬木の足元の影だけになると、その影がすぅ…っとイドラの出て来た扉の奥へと吸い込まれるように入って行った。
…俺達も移動している時、あんな感じだったのだろうか。
「さて…と、邪魔者もいなくなった事だし、改めて……
ようこそ、我等がホームへ！！」
久坂と瞬木がいなくなるとイドラはわざとらしく咳払いをし、次にそう言って役者のように大きく腕を広げた。
そのセリフは先程も瞬木から聞いたものだったが…何となく言わないでおいた。
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＊IJu＊(プロフ) - ゆきうさぎさん» コメントありがとうございます！続編来てしまいした…()これからも亀更新ですが、頑張らせて貰いますー！！ (2018年8月11日 2時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきうさぎ - 続編おめでとうございます！！楽しみにしています！これからも頑張ってください！ (2018年8月10日 15時) (レス) id: dea74ddfb3 (このIDを非表示/違反報告)
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