辻 451 ページ34
「＿＿＿霧野っ！！！」
「っ……？！」
真っ白になって行く頭でただただ白い光景を眺めていただけだったが
不意に大声で自分の名前を呼ばれ、俺はようやく我に帰った。
すると目に飛び込んで来たのは、濃い霧の中で倒れ伏すシルエット。
彼は苦しそうな呼吸を繰り返しながら、俺に向かって震える腕を伸ばしていた。
「倉間っ……！？」
思わず俺は腰掛けていたベットから立ち上がり、彼を抱き起こすと、倉間は口から血を垂らしながら薄く目を開いていた。
俺は……何をしていた？
今のは、俺がやったのか……？
だとしたら、何故こんなになるまで、倉間を助けようとしなかった？
さっきまでの自分の意識が曖昧で、俺は思わず困惑する。
そのせいかおかげか、俺が発動していたであろう�猝賢瓩肋�しずつ薄れ、やがて無くなり、元の新しい部屋の光景に戻った。
「て、め………いきなり、何しやがっ……ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ」
「わ、悪かった倉間…！お、俺……俺、何やってたのかさっぱりで……気が付いたら、あんな……
……そ、それより！大丈夫か、倉間？！起きれるか？体の具合は？ち、血が出てる、けど…」
「ああ……こんなモン平気……って、ワケでもねェ……な…」
口早に倉間に尋ねると、倉間は苦しそうに息をしながらもそう答えた。
ど、どうしよう…どうすれば。
倉間の様子から大丈夫そうではなさそうだし、ここは誰か人を呼んだ方がいいだろうか？
だが今《イドラのサーカス》の団員達は忙しいらしいし、イドラは……今は、正直会いたくない
でもそうも言ってられない、よな…
倉間がこんな風になってしまったんだ。
倉間は不服かもしれないが、ここは素直にイドラに助けを呼びに行こう。
「…待ってろ、倉間。今、人を呼んで来る…！」
「その必要は無いよ」
俺は倉間をそっと床に寝かせながらそう言い、部屋を飛び出そうとしたが
不意に部屋の中で、倉間じゃない誰かの声が聞こえて、俺は思わず立ち止まる。
振り返って見てみると、いつの間にか部屋の窓は開いていて
その窓枠にはオレンジ色の頭にｷﾞｮﾛﾘとした緑の瞳を持った少年が、腰掛けていた。
彼は俺と目が合うと、ﾆｺﾘと愛想の良さそうな笑顔を浮かべた。
「やあ、初めまして。
僕の名前は皆帆和人。通りすがりの名探偵さ」
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＊IJu＊(プロフ) - ゆきうさぎさん» コメントありがとうございます！続編来てしまいした…()これからも亀更新ですが、頑張らせて貰いますー！！ (2018年8月11日 2時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきうさぎ - 続編おめでとうございます！！楽しみにしています！これからも頑張ってください！ (2018年8月10日 15時) (レス) id: dea74ddfb3 (このIDを非表示/違反報告)
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