辻 442 ページ25
マスクで口元を隠していても、わかる。
そのマスクの下の口も笑っていると。
だがその瞳は真っ直ぐ俺を見て、俺の目を見て、話してる。
口元は笑っていても、瞳は真剣。まるでパッチワークのように、ちぐはぐだ。
どうやら本当にこの�犁啓悪瓩砲浪燭�意味があるらしい。皆目検討もつかないが。
でもだからって、イドラを傷付けるのは気が引ける。
当たり前だ。誰だって人を刺せと言われたらそうなるだろう。しかも彼女は俺を守ってくれた人なのに。
倉間はどうして彼女を刺せたんだろう？
やはり�犂擬圻瓩任△詒狃�達を憎んでいるからだろうか？
俺も本来なら憎まなきゃならない相手なんだとは思う。
本来なら多少の良心はあっても、出来なきゃならないんだと思う。
でも俺は、そんなの出来ない。
人を傷付けるのは、嫌だ。
傷付けるくらいなら、俺は…………
「………絶対に、俺はイドラを傷付けなきゃいけないのか？」
「勿論。団員は全員通った道だからね。キミもやらなきゃ、また文句言われちゃう」
「そうか………なら、俺は……
《イドラのサーカス》には入らない」
途端に「はァ？！」と倉間が声をあげた。
イドラも予想外だったのか、ﾊﾟﾁﾊﾟﾁと瞬きを繰り返して俺を見遣る。
……傷付けるくらいなら、俺は入らない。
傷付けなきゃ入れないのなら、自分からやめるまで。
折角彼女から招かれたのだから、心が痛むが……
彼女をこの手で刺していたら、もっと心が痛んでたずだ。
だから、これでいい………
これで、いいんだ。
「なっ…何か言ってんだ霧野？！
お前が《イドラのサーカス》に行くっつったから俺も来たんだろ！？
お前がそんな事言ったら、俺はっ……？！」
「俺はイドラを傷付けたくない。
例えほんの少しでも、刺せば傷は残るし、殴れば痛いし。戦闘で負う傷ならばまだ仕方ないにしても……刺せと言われて何もしていないのに刺すのは、絶対に嫌だ」
「………」
俺が来たいと言ったのにこう言っているんだ、倉間には溜まったものじゃないだろう。
だが俺はイドラの前でハッキリそう告げると、彼女は驚いた様な表情から、いつものニヤけ顔に戻る。
そうして彼女は「そうですか」と静かに告げると、おもむろに俺の手を掴んで、ｷﾞｭｯと優しく握り締めた。
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＊IJu＊(プロフ) - ゆきうさぎさん» コメントありがとうございます！続編来てしまいした…()これからも亀更新ですが、頑張らせて貰いますー！！ (2018年8月11日 2時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきうさぎ - 続編おめでとうございます！！楽しみにしています！これからも頑張ってください！ (2018年8月10日 15時) (レス) id: dea74ddfb3 (このIDを非表示/違反報告)
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