カップケーキとポジティブだ ページ6
俺はラッピングされたカップケーキを一つ取り出し、頬張ってみる。
……うん、美味い。
古城に初めて会った時、彼女が皆に配っていて余ったブラウニーを貰ったが、アレも美味かった。
大量に残ってたからって、思わず3つも食っちゃったんだっけ。
「…美味いな」
「本当ですか…？」
俺が正直な感想を述べると、古城は嬉しそうに目を細め、微笑んだ。
へぇ…コイツって笑うんだな。
今まで無表情な顔しか見た事無かった。
「あー！不動さん、Aからお菓子貰ってる！！」
俺がカップケーキを食っていたら、松風にバレてしまった。
松風が叫び、他の連中の視線がバッと一斉にこっちを向いた。
げっ、またややこしい事に…
「あっ！本当だ！！」
「いいないいな〜！不動コーチだけズリー…」
「僕も食べたい！」
そして口々に古城の作ったカップケーキを欲しがる。
結構人気なんだなー、コイツの作るお菓子。
「申し訳ありません。
今日はこれしか持って来てないんです。
また今度、気が向いたら作ります」
古城は皆にそう断ると、選手達は何やらボヤキながらも練習に戻って行った。
「…お前、気分で皆に作ってんの？」
「はい、一度作って配ってみたら、意外と好評でしたので…
でも流石に毎日ってわけにはいかないので、気分で作っています」
気分でサッカー部全員の分作るとか、どんな気分なんだよ…
「ですが不動さんが毎日いらっしゃるのなら、頑張って毎日お菓子作ります」
「…いや、毎日来れないしやめとけ」
「……そうですか」
古城は無表情でそう呟くと、俺から目をそらして皆の練習風景を見る。
俺はカップケーキを一つ食べ終わって、残り二つは鬼道達にやろうと思い、封を閉めた。
「残念です。
不動さんとはこれから、お友達としてお近付きになりたかったのですが」
「…は？友達？」
思わず眉を顰めると、古城は「はい」と此方を向いて頷いた。
「私が成人するまで、せめて貴方の友達として、不動さんのそばにいたいのです」
「ちょ、待て。
まだ諦めてないのかよ？」
「当たり前じゃないですか。
告白を断ったのは、私がまだ未成年だから。
それ以外に告白を断る理由は特に仰っていなかったので、つまりは私が成人となりもう一度告白すればいい話ではないのですか？」
「…いや…その……」
彼女のあまりにもハッキリとした発言に、俺は何も言えなかった。
…前向き過ぎだろ、コイツ。
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＊IJu＊(プロフ) - 碧さん» コメントありがとうございますっ！！ ブァ、嬉しいっ……！！ 更新頑張りますっ！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2015年1月14日 0時) (
レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 面白かったです！更新頑張ってください！ (2015年1月13日 21時) (レス) id: 74baf496f0 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 腐女子さん» 回覧ありがとうございます！ そう言って下さると嬉しいです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2015年1月10日 12時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 見ました。面白かったです！！ (2015年1月9日 21時) (レス) id: 3f28cb10a1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - メルボルンさん» 本当ですか？ありがとうございます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) どうなっていくかは自分でもわからないですが、楽しみにしていただけると嬉しいです！！← (2015年1月9日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年1月8日 0時
