はりせんぼんだ ページ47
「それで涼野さん、何て言ったと思います？
『もうお前は暫く外出禁止だ』って言われんたんです。
外出禁止ですよ？
いくらなんでも酷いと思いませんか？」
古城に最後に会ってから三日後ぐらい。
暇が出来たんで雷門高のサッカー部に来てみたら、
古城から延々と愚痴を聞かされた。
どうやらコイツ、外出禁止令が出されたらしい。
原因はこの間、瞬木って奴と会ったから帰りがかなり遅くなって怒られたんだと。
……そりゃ怒るよな。
「ま、いいんじゃねーの？
暫く家でじっとしてろ」
「病人じゃないので引きこもりたくないです」
「さりげなく俺を見ながら言うな。
俺は引きこもりじゃねーから」
「いえ、そのつもりは」
「なかったとも言えません」とハッキリ言われ、若干傷付いた。
コイツにとって、俺の印象って一体……
「なので不動さん」
「ん？」
「土曜日、遊びましょう」
「…あ？」
…コイツ、さっき何て言ってたっけ？
「…お前、外出禁止じゃ…」
「私の部屋でお家デートは可能です」
また言いやがったぞ。
『デート』って言いやがったぞ。
「ハァ…ずる賢い奴だ」
「ありがとうございます」
「褒めてねーよ」
「知ってます」
「あっそ」
相変わらずの無愛想ぶりで。
呆れる。
「では土曜日、9時に雷門高前で」
「今度はお前の友達連れてくんじゃねーぞ」
「嫌ですか？陣君と和人君は？」
「そういう意味じゃねーよ。
つか逆に相手が嫌そうに見えたけどな」
「気にしないで下さい。
陣君は私が関わるとヒロトさんみたくなるので」
どんだけ好きなんだよ。
そしてお前もどんだけ鈍いんだよ。
「へー…じゃ、余計誘うなよ」
「…仕方ないですね。
わかりました、誘いませんよ。
まぁ、元々誘う気なんてさらさら無かったのですがね」
…何か、イラっときた。
「とりあえず、お願いしますね。
遅刻したら針千本飲ませます」
「…俺、いつお前と指切りしたっけ？」
「指切りしたいですか？」
「いい」
「…」
小指を出し掛けていた古城は眉を微かに顰め、そっぽを向いた。
あの無表情さえ見なければ、その態度は不貞腐れたように見える。
「…いいです。
針千本じゃなくてハリセンボン飲ませます」
「…おい、それは怖いぞ」
「針は怖くないのですか？」
「…いや、怖いけど」
とりあえず、古城はどちらもやり兼ねそうなので
集合時間には遅れないようにしとこうと、密かに思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - 碧さん» コメントありがとうございますっ！！ ブァ、嬉しいっ……！！ 更新頑張りますっ！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2015年1月14日 0時) (
レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 面白かったです！更新頑張ってください！ (2015年1月13日 21時) (レス) id: 74baf496f0 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 腐女子さん» 回覧ありがとうございます！ そう言って下さると嬉しいです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2015年1月10日 12時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 見ました。面白かったです！！ (2015年1月9日 21時) (レス) id: 3f28cb10a1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - メルボルンさん» 本当ですか？ありがとうございます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) どうなっていくかは自分でもわからないですが、楽しみにしていただけると嬉しいです！！← (2015年1月9日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年1月8日 0時
