送り出しと防犯ブザーだ ページ29
「…チ、また、負けてしまったのです」
古城はそっぽを向くと悔しそうに舌打ちした。
まぁ、どうせ表情は無いんだろうが。
「弱いね〜、A」
それをクスッと笑い、小馬鹿にするように皆帆は言った。
「…ルーレットが悪いんです」
「いえ、ルーレットは悪くないと思いますよ？
悪いのは貴方の運です」
「さっきは不動さんに勝ちましたのに…」
「それで運を使い果たしたんじゃない？」
「……いえ、あれは不動さんが弱かっただけです」
「おい」
ホントこいつ、ズバズバ言うのな。
少し腹が立ったから睨んでやったら、古城は何故か嬉しそうな表情をした。
……何なんだ、コイツ。
「そういえば…今何時だい？」
ふとクスクス笑っていた皆帆が思い出したかのように古城に尋ねる。
古城はベッドのそばに置いてあった時計を見て、皆帆の質問に答えた。
「18時45分です」
「道理で外か暗いと思ったら…」
結構、ボードゲームに夢中になり過ぎたようだ。
まぁ結構白熱したからな。
…主に古城が。
「皆さん、帰ります？」
「そうですね…そろそろ帰った方が良いでしょうね」
「…そうですか」
荷物を纏め始める真名部と皆帆を寂しそうに見つめ、そう呟いた。
俺もそろそろ帰んないとなー…
…別に急ぐ用とか無いけど。
「では皆さんを家まで送ります」
古城も立ち上がると、そう言い出す。
すかさず皆帆が苦笑しながら遠慮した。
「いいや、大丈夫だよ？」
「いえ、送ります」
しかし古城は何故か送りたがった。
普通逆だろ…
「ダメですよ」
そのやり取りを見ていた真名部が、真剣な顔つきで古城に言い放った。
更には肩に手を置き、言葉を続ける。
「夜道は危険ですよ？
何かあったらどうするんですか？」
「心配無用です。
前にヒロトさんから貰った防犯ブザーを鳴らせば…」
「それだけでは危険は防げませんからね？！」
「でも前にヒロトさんに言われて…」
「防犯ブザーだけで防げたらこの世の中は平和ですよ…」
真名部は古城の安易な考えに頭を抱える。
……防犯ブザーて。
小学生じゃねーんだからさ…
何考えてんだよ、基山はよ。
「とにかく、送ります」
「ダメです」
「嫌です、送ります」
「ダメですから」
「…」
ピシャリと古城に言い放つと、
古城はややムクれたような表情をして真名部を睨む。
そして、
「…では、不動さんを送ります」
此方を向き、そう言った。
…だから、普通逆だって。
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＊IJu＊(プロフ) - 碧さん» コメントありがとうございますっ！！ ブァ、嬉しいっ……！！ 更新頑張りますっ！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2015年1月14日 0時) (
レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 面白かったです！更新頑張ってください！ (2015年1月13日 21時) (レス) id: 74baf496f0 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 腐女子さん» 回覧ありがとうございます！ そう言って下さると嬉しいです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2015年1月10日 12時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 見ました。面白かったです！！ (2015年1月9日 21時) (レス) id: 3f28cb10a1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - メルボルンさん» 本当ですか？ありがとうございます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) どうなっていくかは自分でもわからないですが、楽しみにしていただけると嬉しいです！！← (2015年1月9日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年1月8日 0時
