部屋の前なのです ページ24
「陣君？
後ろが詰まっています、早く入って下さい」
丁度部屋の出入り口を塞ぐように立ち竦む陣君にそう言うと、
陣君は物凄い形相で振り返り、部屋の中を指差す。
「Aさん！！あ、貴方の部屋の中に男の人がいるんですけれど？！
不審者ですか？！それとも知り合いなんですか？！」
「昨日言ったじゃないですか。
彼は先生です」
「えっ？！先生？！
あれが先生なんですか？！」
「結構失礼ですよ、陣君」
陣君の言葉に部屋の中の不動さんは眉を顰める。
ついでに私も。
「人を見た目で決め付けてはいけませんよ？
確かに目付き悪いですし、初対面ならそう思うのも無理も無いですけれど、
いくらなんでも口に出すのは酷い事かと」
「お前の方が相当酷いわ」
おや？
ハッキリ言い過ぎてしまいましたか。
「…もしかして、不動さんじゃないですか？」
私達が話していたら、不意に和人君が不動さんにそう聞いたきた。
「そうだが…」
「…やっぱり」
「知り合いなのです？」
「ほら、3年前に僕達宇宙のサッカー大会に出たのは知ってるよね？
その時期に、宇宙に行く前に練習試合をしたチームの監督だった人だよ」
そう言えば…そんな事を話していたような。
……しかし、宇宙のサッカー大会とは。
ぶっ飛んだ話です。
「知り合いだったのならば、もっと早くに紹介してほしかったです」
「そう言われても…その話をしていた時は君、興味無さそうだったじゃないか」
そうですが……それでも紹介してほしかった。
昔の自分の馬鹿。
恨みます。
「その人が何故、先生に……？」
「それも言いましたよね？
一緒に勉強したかったからですってば」
「一緒に勉強したいのなら、部屋の中央に広げられているボードとサイコロは何だい？」
「…」
咄嗟に目をそらす。
流石和人君、鋭い。
「…遊んでたんですね」
「暇だったので」
「だったら先に勉強していれば良かったじゃないですか」
「……久しぶりに人が来たのが嬉しくて、つい」
「…はぁ」
私の返答に陣君は呆れたように溜息を吐く。
その様子を見ると、何だか申し訳なく思ってしまう。
「…とりあえず、部屋にお邪魔しますね」
「あ、はい。どうぞ」
陣君はまだ呆れ顔をしながら私の部屋に入った。
和人君はその後ろに続き、最後に私が入って扉を閉める。
………瞬間、沈黙が部屋に訪れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
【イナイレ/男主】アリウムが芽吹く頃.3【エイリア学園編】
【イナイレ】薄明を拓く万象【エイリア編】
【イナズマイレブンGO】ミストレのご先祖様は世界最強のエースストライカー！part4
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - 碧さん» コメントありがとうございますっ！！ ブァ、嬉しいっ……！！ 更新頑張りますっ！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2015年1月14日 0時) (
レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 面白かったです！更新頑張ってください！ (2015年1月13日 21時) (レス) id: 74baf496f0 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 腐女子さん» 回覧ありがとうございます！ そう言って下さると嬉しいです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2015年1月10日 12時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 見ました。面白かったです！！ (2015年1月9日 21時) (レス) id: 3f28cb10a1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - メルボルンさん» 本当ですか？ありがとうございます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) どうなっていくかは自分でもわからないですが、楽しみにしていただけると嬉しいです！！← (2015年1月9日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年1月8日 0時
