○夢とは○ ページ10
朝。
日の光が窓から差し込み、俺は体を起こす。
すぐそばの床ではAが毛布で体を包み、気持ちよさそうに眠っている。
微かに口元が緩んで微笑みを浮かべている所を見ると、どうやらいい夢を見ているようだ。
…夢、とはどんなものなのだろうか？
俺は眠った事が無いからよくわからない。
元々俺の身体は睡眠を取る必要性が無いからな。
今日だって、俺はAが眠った後もずっと起きていた。
「…」
「ん……むにゃ……ふふ…」
そう思うと、彼女の見ている夢が気になってきた。
なので俺は“
Aの首筋に光の矢を放つ。
瞬間、俺の頭の中に2人の男女が立っていた。
…どうやらこの2人はAの両親らしい。
どちらも温厚そうで、微笑んでいた。
そんな2人の間に、金髪の少女が1人。
2人の手を取り、仲睦まじく歩いていた。
彼女はAのようだが……
今とは大分容姿が異なる。
夢の中のAは包帯はしておらず、白いワンピースを着て笑っていた。
肌に異常は見当たらず、見た目は至って健康的。
はたから見ればただ野原を歩いている家族にしか見えない。
………これが、彼女にとっての楽しい夢。
ただ野原を家族と歩いて、何が楽しいのだろう？
俺にはよくわからない。
「…んぅ………？
………ゴウ…セル……？」
Aの夢に疑念を抱いていると、不意に彼女の瞳が開かれた。
彼女は包帯をしていない右目の方をまだ眠そうに擦ると、俺をじっと見つめる。
「おはよう、A。
早いな。いつもこれぐらいに起きるのか？」
「…あ……う、ううん…
……床、寝心地悪くて…起きちゃった」
Aはそう言って苦笑する。
……何だか、悪い事をした。
「なら、今度からお前はベッドを使うと良い」
「い、いや…！それは、大丈夫！
慣れれば、多分…大丈夫だから…！」
「だがその慣れるまでの間はお前の睡眠が浅くなる。
別に俺の事はいい。
この傷は何もしなくても治る」
「だ、ダメだってば！！
体は大切にしないと！！
傷はまだ塞がってないし…ダメ！」
「いや、もうとっくのとうに塞がっている」
「……へ…？」
正直に述べるとAは訝しげな表情をして俺を見る。
どうやら疑われているようだ。
……仕方ない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿野伊愛(プロフ) - むり。この物語好きすぎて無理しにそう。神か、神なのかあなたは (2016年9月21日 15時) (
レス) id: 4b8e363bf2 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - みょんさん» コメントありがとうございます！！ め、目から塩水っ……？！そんな、僕の書く小説は人体に危険を及ぼすものだったのk(((( ですよね、ゴウセル可愛いですよねっ！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) 更新頑張ります(｀･ω･´) (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 綺水。さん» 初めまして、コメントありがとうございます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) いやいや、そんな、ゴウセルのキャラブレブレな気がするのですが……orz 更新、頑張ります！！ (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - アヤさん» だよね、ゴウセル可愛いぃぃぃい((( しかし僕はその可愛さを伝えられていないぃぃぃいいい(((゜Д゜；)))← (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
みょん - い……目から塩水が……←とっても感動しました！ゴウセル可愛い(更新(頑張って下さい！ (2015年8月13日 0時) (レス) id: ecb616bc75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
