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○木箱と疑問○ ページ45

「おはよう、ゴウセル〜」

「おはよう、A」



目を擦るAにいつも通りの挨拶を済ませると
早速俺は疑問を口にした。



「A、今さっき人がこの家の前に来た」

「……え…?」



すると寝ぼけ眼だったAの目が見開かれ、微かに肩が震え始める。



「……そ、その人、は…?」

「木箱を置いて帰って行った」



そして俺がそう答えると、Aは安堵の表情を浮かべて胸を撫で下ろす。



「……え?木箱?」



しかし何かに気付いたのか、また目を見開くとバタバタと玄関まで駆け寄って扉を開いた。

…やはりAはあの木箱について知っているようだ。



「ああーーーー!!
またお礼言えなかったーーーー!!」



Aは玄関前に置かれた4つの木箱を見て叫ぶと、膝から崩れてしまう。


……お礼?



「A、その木箱は何だ?」

「あ…これ?」



ペタリと床に座り込んだAは木箱を指差すと首を傾げる。

俺は頷き、再び同じ質問をすると彼女は微笑みを浮かべながら答えた。



「これはね、食料とか日用品とか…生活に必要な物がいっぱい入ってるの!」



「ほらっ!」とAは4つの木箱の内の1つを開けると
その中には確かにジャガイモや人参などの野菜が木箱いっぱいに敷き詰められていた。

きっと他の箱もこんな感じで色々入っているのだろう。



「月に1回、こうして運ばれてくるの!
これのおかげで私、森から出なくても生きていけるんだよ!」



そこまで話すと「こっちは何が入ってるのかな〜?」と次の木箱を開け始める。

そんなAをぼんやり見つめながら、俺はもう1つの疑問を尋ねた。



「それは、一体誰が運んでいるんだ?」

「…」



するとAの動作がピタッと止まり、彼女は俯いた。

木箱の角に手を置いて、こちらに背中を向けたまま答える。



「…わかんないの、その人」

「わからないのか?」

「うん、全くわからないの。

いつもお礼を言おうと思ってるんだけど……」



いつもより少し小さめの声で言うと、Aはおもむろに振り返る。

そして俺に笑顔を向けると、手招きをした。



「そんなことよりゴウセル!
木箱を倉庫に移すの手伝って!!

1人でやるの大変なんだよ〜?」

「了解」



俺は彼女に言われ、彼女の元へ歩み寄って木箱を持ち上げた。

するとすぐにAが「力持ちだね〜!」と満面の笑みを浮かべる。



…あの人物は、Aの事を知っているのだろうか?

○そんなに急いで○→←○早朝、家の前にて○



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鹿野伊愛(プロフ) - むり。この物語好きすぎて無理しにそう。神か、神なのかあなたは (2016年9月21日 15時) (レス) id: 4b8e363bf2 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - みょんさん» コメントありがとうございます!! め、目から塩水っ……?!そんな、僕の書く小説は人体に危険を及ぼすものだったのk(((( ですよね、ゴウセル可愛いですよねっ!!(((o(*゚▽゚*)o))) 更新頑張ります(`・ω・´) (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 綺水。さん» 初めまして、コメントありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o))) いやいや、そんな、ゴウセルのキャラブレブレな気がするのですが……orz 更新、頑張ります!! (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - アヤさん» だよね、ゴウセル可愛いぃぃぃい((( しかし僕はその可愛さを伝えられていないぃぃぃいいい(((゜Д゜;)))← (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
みょん - い……目から塩水が……←とっても感動しました!ゴウセル可愛い(更新(頑張って下さい! (2015年8月13日 0時) (レス) id: ecb616bc75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年4月21日 23時

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