○包帯の下には○ ページ39
「……え…？」
尋ねた瞬間、辺りに静寂が訪れた。
Aは目を見開き、驚いた表情をしたが
すぐに目を伏せて俺から目をそらす。
「…何言ってるの、ゴウセル…？
普通にゴウセル、触ってるじゃない？」
「お前からはあるが、俺から触れた事は一度として無い。
しかもAは触れるとしても肌の露出していない所だけだ」
「……」
正直にそう言うと、Aは黙り込んでしまった。
少しするとAはゆっくりと顔を上げ、俺を見る。
その口元は笑っていたが、目元は何処か物悲しそうだった。
「…ゴウセルになら、教えてもいいかな」
Aは呟くようにそう言うと俺に向き合い
シュルシュルと解けた包帯は地面に落ち、その下からあの爛れた赤黒い肌が露わになる。
腕が終わるとAは次に足、首と次々と包帯を解いていく。
そして最後に彼女は眼帯のようになっている左目の包帯をも手を伸ばした。
左目の包帯も全て地面に落ち、彼女の足元には包帯の小山が出来上がる。
俺は彼女の顔全体を見て、目を見張った。
彼女の左目部分は、空洞だった。
本来、そこに埋め込まれているはずのサファイア色の瞳は影も形も無く、ただただ何かで抉られたかのようにポッカリと空洞が出来ていた。
その周りの肌もまるで腐った桃のようにグジュグジュしていて、その色は腕や足なんかよりも赤黒い。
いや、最早黒に近かった。
「………びっくり、した？」
包帯を全て解いて暫く黙り込んでいたAは弱々しく微笑むと、指先で左目の部分に触れた。
瞬間『グジュッ』と粘着性の高い水音が微かに響く。
「…気持ち……悪い、よね。こんなの。
びっくりするのも……わかる」
Aは肩を竦めるとまた少し黙り込み、再び俺に弱い笑みを見せる。
「私、病気なの。
それもコレね、治らないの」
自分の赤黒い肌を俺に見せ、間を空けつつ話を続ける。
その間はずっと、Aは微笑みを浮かべていた。
複雑な微笑みを。
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鹿野伊愛(プロフ) - むり。この物語好きすぎて無理しにそう。神か、神なのかあなたは (2016年9月21日 15時) (
レス) id: 4b8e363bf2 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - みょんさん» コメントありがとうございます！！ め、目から塩水っ……？！そんな、僕の書く小説は人体に危険を及ぼすものだったのk(((( ですよね、ゴウセル可愛いですよねっ！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) 更新頑張ります(｀･ω･´) (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 綺水。さん» 初めまして、コメントありがとうございます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) いやいや、そんな、ゴウセルのキャラブレブレな気がするのですが……orz 更新、頑張ります！！ (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - アヤさん» だよね、ゴウセル可愛いぃぃぃい((( しかし僕はその可愛さを伝えられていないぃぃぃいいい(((゜Д゜；)))← (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
みょん - い……目から塩水が……←とっても感動しました！ゴウセル可愛い(更新(頑張って下さい！ (2015年8月13日 0時) (レス) id: ecb616bc75 (このIDを非表示/違反報告)
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