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○お前の名前は?○ ページ4

「あの…貴方の名前は、なんて言うの?」



パン粥を食べ終わると彼女はベッドのそばにあった椅子に腰掛け、恐る恐るといった様子で話し掛ける。

何故怖がるのかはよくわからなかったが、とりあえず普通に言葉を返すことにした。



「俺はゴウセル。
〈七つの大罪〉の〈色欲の罪(ゴート・シン)〉だ」

「そ、そうなんだ……なんか、素敵な名前だね…!」



俺が名乗ると彼女は何だか苦しそうに笑って肩を竦める。

その反応に少し驚いた。


……彼女は、〈七つの大罪〉を知らないのか?

反応がやけに薄い。



「…お前は誰だ?」

「あ…わ、私?」



気になった疑問は一度置いておき、今度は俺から彼女の名前を尋ねてみた。

すると大袈裟なリアクションをして、彼女はおずおずと名を名乗った。



「わ、私、は………A、って言うの…
……よ、よろしく、ね…」



彼女…いや、Aはそう言うと目をそらし、ソワソワと落ち着きを無くした。


何も話すことが無くなり、暫く部屋の中が静かになる。

なので俺は彼女に対して抱いていた疑問を聞いてみることにした。



「お前は〈七つの大罪〉について知らないのか?」

「へ…?」



尋ねると彼女は目を見開き驚いた顔を一瞬して、

すぐにまたオドオドとし始める。


……少し面白い。



「な…ななつの、たい、ざい?
あ、新しい町か、何か……なの?
それとも、本とかの題名……?」

「知らないんだな」



Aの反応を見て理解した。


彼女は〈七つの大罪〉については知らないらしい。

少し驚きだが、此方としては好都合だ。



「あと、お前は此処に一人で住んでいるのか?」



理解した所で話を変え、違う疑問を彼女に尋ねた。

するとAはその質問に対して、悲しそうな表情をすると俯いてしまった。


……何かあったのだろうか?



「…ううん、私…一人なの。
パパもママも……どっかに、行っちゃった……」

「つまり、お前を『捨てた』という事か?」

「…そう、なのかな……」



曖昧な返事をすると彼女は顔を上げ、
悲しそうに笑い、こう言った。




「……そう、かもね」

○匿わせてやる○→←○目を覚ますと○



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鹿野伊愛(プロフ) - むり。この物語好きすぎて無理しにそう。神か、神なのかあなたは (2016年9月21日 15時) (レス) id: 4b8e363bf2 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - みょんさん» コメントありがとうございます!! め、目から塩水っ……?!そんな、僕の書く小説は人体に危険を及ぼすものだったのk(((( ですよね、ゴウセル可愛いですよねっ!!(((o(*゚▽゚*)o))) 更新頑張ります(`・ω・´) (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 綺水。さん» 初めまして、コメントありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o))) いやいや、そんな、ゴウセルのキャラブレブレな気がするのですが……orz 更新、頑張ります!! (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - アヤさん» だよね、ゴウセル可愛いぃぃぃい((( しかし僕はその可愛さを伝えられていないぃぃぃいいい(((゜Д゜;)))← (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
みょん - い……目から塩水が……←とっても感動しました!ゴウセル可愛い(更新(頑張って下さい! (2015年8月13日 0時) (レス) id: ecb616bc75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年4月21日 23時

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