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○何故○ ページ11

「疑っているな。
証拠に見せてやろう」



まだ訝しげに此方を見つめるAの前で俺は服を脱ぐ。

そして包帯の結び目を解き、包帯を緩めると何故かAは真っ赤な顔をして俺から目をそらした。



「……?
どうした、A?」

「そ、その…どうして、いきなりふっ、服を脱ぐの…?!」

「お前が俺の言う事を疑っているみたいだからな。
証拠として実際に見せてやろうかと」

「へっ…?!
い、いやっ!!いいよ!!
そんな……いきなり…」

「…?」



頭まで毛布を被り、蹲るA。


何故か心拍数が上昇し、顔も耳まで真っ赤だ。

…どうしたのだろう?



「…A?」

「なっ…何…?」



Aは両手で目元を覆ったまま顔を上げ、返事をする。

…どうして、そんな事をするのだろうか?


……もしかして、恥ずかしいのか?

しかし、何が恥ずかしいのだろう?


よくわからない。



「A、見てくれ。
傷はもう塞がっている」



彼女の行動に疑問を抱きつつ、俺は包帯を外して彼女の前で腕を広げた。



「…」

「うぅ〜…服着てぇ……」



しかしAは見てくれない。


仕方ないので俺はしゃがんだ彼女の前で膝立ちになり、彼女の両手を強引に顔から離す。

瞬間、真っ赤な顔の彼女と目が合った。



「…え…えっ…?」

「ほら、塞がっているだろう?」



ゆっくり視線を下に移し、Aは目を見開いた。

そしておもむろに手を伸ばし、塞がった傷に触れる。



「ほ…ほんとだ……
あんなに、深かったのに…」



指先でなぞりながら、Aは『ありえない』と言いたげな表情をする。



「やっと信じてくれたか」

「凄い…
…これは貴方の魔力か何か…?」

「いいや、違う。

昨日も言ったが俺は多少乱暴に扱われても壊れないように出来ているんだ。
これぐらいならば、すぐ癒える」

「た、多少って…」



Aはまた心配そうな顔をして、俺の傷を見つめる。



「…ゴウセル、貴方って…」

「…?」



顔を上げるとAは何かを言いかけた。


しかしAは目をそらし、そのあとの言葉を続けてくれない。



「……ううん、やっぱり、何でもない」



そして彼女はそう言って苦笑し、
言いかけた言葉を話してはくれなかった。


俺はその言葉が気になって、尋ねようとしたが…



「…そっ…それより、ふ、服!
服、着て!!ゴウセル!!」



ハッと我に返り、再び顔を真っ赤にさせたAの言葉に遮られてしまった。

○食事は不要…○→←○夢とは○



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鹿野伊愛(プロフ) - むり。この物語好きすぎて無理しにそう。神か、神なのかあなたは (2016年9月21日 15時) (レス) id: 4b8e363bf2 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - みょんさん» コメントありがとうございます!! め、目から塩水っ……?!そんな、僕の書く小説は人体に危険を及ぼすものだったのk(((( ですよね、ゴウセル可愛いですよねっ!!(((o(*゚▽゚*)o))) 更新頑張ります(`・ω・´) (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 綺水。さん» 初めまして、コメントありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o))) いやいや、そんな、ゴウセルのキャラブレブレな気がするのですが……orz 更新、頑張ります!! (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - アヤさん» だよね、ゴウセル可愛いぃぃぃい((( しかし僕はその可愛さを伝えられていないぃぃぃいいい(((゜Д゜;)))← (2015年8月14日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
みょん - い……目から塩水が……←とっても感動しました!ゴウセル可愛い(更新(頑張って下さい! (2015年8月13日 0時) (レス) id: ecb616bc75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年4月21日 23時

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