彼の疑問 ページ21
「ん………ぅ…」
「…寝たか」
リラと二人で本を読んで暫くすると、リラはいつの間にか隣で眠ってしまっていた。
無理も無い、今日は色んな事が起きたんだ。
何年も小屋から出ていなかったし、きっと疲れたんだろう。
一旦本から視線を外し、リラの読んでいた本を閉じてそばにある本の山に重ねると、彼女の頭を撫でる。
すると彼女は猫の様に俺の手に擦り寄り、微かに微笑んだ。
「…」
次にその撫でていた手を滑らせ、彼女の頬に移動した。
瞬間、彼女は頬を紅潮させ、「んっ…」と声を出した。
「…リラ」
そのまま彼女の名前を呼ぶと、彼女はまた微笑みを浮かべる。
………ふむ、どうやら頭を撫でられるのと名前を呼ばれるのが好きみたいだな。
だが、頬を触ると顔が紅潮した…何故だ？
それはどんな感情からだ？
本の知識だけでは、この反応は理解し難い。
「……___＿…」
「…ん？」
ふと、彼女は悲しそうに顔を歪め、何かを呟いた。
耳を澄ませると、だんだんハッキリと聞こえるようになる。
「リラ……リラ………
ごめん……なさ、い……」
「…」
…驚いた。
“記憶を上書きして”も尚、“リラ”の事を覚えているとは。
一体、どんな夢を見ているのだろうか。
「僕……僕、は……僕が…あ、ぁ…
リラ……リラ……ぁぁ…ぁ……」
終いには涙を流し、それは頬を伝って足元にシミを作る。
彼女の夢の内容が気になり、俺は彼女の頭に指先を向け、そのまま思考を読み取ろうと……
「…？」
…したが、何故か読み取れなかった。
何かが妨害をしている…？
一体何が？
それに、何故か魔力が上がってきている。
これは……？
「リラ……」
疑問に思っていると彼女は突然立ち上がった。
…いや、“浮き上がった”と言う方が正しいのか。
一見立っているように見えるが、彼女の足元を見ると地に足がついていない。
「…殺さなきゃ。
リラが……リラが、悲しむ……」
虚ろな瞳をした彼女はそう言うと、浮いたまま見張り台から出て行ってしまった。
あんな彼女、見た事が無い。
少なくとも、“リラ”として過ごした数年間の間は。
まさか…“戻った”？
いや、それは無い。
…だとしたら、あれは＿＿＿
「…追い掛けた方が良さそうだな」
色々と考えた結果、俺は彼女を追い掛ける事にした。
とりあえず、王女が危ない。
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＊IJu＊(プロフ) - ユキヤさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで嬉しいです^^名前についてはどちらも変更可能ですので、そちらで御自身のお好きな名前に変えて頂ければ……！ (2022年9月10日 18時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヤ - 名前が一緒でめっちゃ読みにくいけどめっちゃおもろい今日このごろ (2022年9月10日 12時) (レス) id: 30a2e3b099 (このIDを非表示/違反報告)
銀来(プロフ) - そうなんですか．．．まぁ、アニメキャラはみんな可愛いです。機会があったら調べてみますね♪ (2015年8月13日 21時) (レス) id: 578c57ad6f (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 銀来さん» いえ、好葉というキャラクターがいるんですよ…紛らわしくてすみませんorz 因みにマギはあまりわかりません、ごめんなさいorz (2015年8月13日 13時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
銀来(プロフ) - 好葉→紅覇ですか？えっと、要するに、マギ好きですか！？ (2015年8月12日 16時) (レス) id: 6789b7c894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年3月23日 19時
