彼女の興奮 ページ20
ゴウセル様に言われ、私は先に梯子で上の階へと上がる。
上は最上階のようで、中は物で溢れていた。
此処は…物置か？
「…ん……？」
適当に中の物を眺めていると、その中に気になる物を見つけた。
私はそれに近付いて、一つ手に取ってみた。
「…本だ…！」
しかも、あの山小屋には無かったタイトルの本ばかり…！
気が付いたら夢中になって、私は一冊の本を読み始めた。
「何を見ている？」
暫く読んでいると、いつの間にかゴウセル様が来ていて、上から本を覗き込む。
「ゴウセル様…！
なぁ、これ見てくれよ！
小屋には無かった本がいっぱいあるんだ！！」
「本？」
首を傾げるゴウセル様に、私は積み重なっている数十冊の本を指差す。
するとゴウセル様も興味を持ち、何冊か手に取って目を見開いた。
「団長が言っていたのはこのことか…」
「ねねっ、今日はこれ読もうぜ？
もう
「そう興奮するな。
気持ちはわからないでもないが」
ゴウセル様はそう言って私の頭を撫でる。
多分、私を宥めてるつもり。
「よし、じゃあ外に出よう。
あの扉の先は見張り台のようだし、此処は少し薄暗い」
「…外も大して変わらないんじゃないか？」
「今日は満月だ。
月の明かりはリラが考えているものよりずっと明るい」
「……ふぅん」
少し見下されてる感もある気がするが、それがゴウセル様なのだから仕方ない。
ゴウセル様は本を数冊片手に抱えると私の手を掴み、そのまま一緒に扉の外の見張り台へと向かう。
「わっ…！！」
外は綺麗な星空が広がり、ゴウセル様の言う通りの丸い月が浮かんでいた。
その美しい夜空に思わず私は見張り台の端まで駆け、星空を見上げる。
手を繋いでいたゴウセル様も必然的に引っ張られ、一緒に。
「いきなり走るな」
「あ、ごめん…
でも見てよ！綺麗でしょ？」
「きれい…？」
ゴウセル様も一緒に空を見上げるが、暫くすると首を傾げて私を見る。
「リラがか？」
「今まで貴方は何を見ていたの…？」
「月だ」
「わかるよ」
…相変わらず、この人はよくわからない。
「とにかく綺麗だろ？」
「…きれい…」
私が尋ねると、ゴウセル様は俯き、少し考える素振りを見せてから、首を傾げた。
「……よく、わからない」
…私はそんな貴方がわからない。
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＊IJu＊(プロフ) - ユキヤさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで嬉しいです^^名前についてはどちらも変更可能ですので、そちらで御自身のお好きな名前に変えて頂ければ……！ (2022年9月10日 18時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヤ - 名前が一緒でめっちゃ読みにくいけどめっちゃおもろい今日このごろ (2022年9月10日 12時) (レス) id: 30a2e3b099 (このIDを非表示/違反報告)
銀来(プロフ) - そうなんですか．．．まぁ、アニメキャラはみんな可愛いです。機会があったら調べてみますね♪ (2015年8月13日 21時) (レス) id: 578c57ad6f (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 銀来さん» いえ、好葉というキャラクターがいるんですよ…紛らわしくてすみませんorz 因みにマギはあまりわかりません、ごめんなさいorz (2015年8月13日 13時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
銀来(プロフ) - 好葉→紅覇ですか？えっと、要するに、マギ好きですか！？ (2015年8月12日 16時) (レス) id: 6789b7c894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年3月23日 19時
