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「でも沙明も悪いんだからね〜?急に女の子壁際に追い込むって何よ?チョ〜怖かったんですケド〜!」
「えっ……そ、それは……ごめん……」
「(思ってた反応と違ぁ〜う!調子狂う〜〜!!)」
しかしいつもの沙明はほんの一瞬。
ちょっと演技したら、またさっきのモジモジ沙明になってしまった。
でもこんな沙明にしてしまったのは元はと言えば私のせいだろう。私があんな事しなければ沙明が恋する乙女みたいになる事もならなかっただろうし。
やっぱり沙明はいつもの沙明がいっちゃんいいや。1周回って。ぶっ飛ばしても今みたいな罪悪感ないし。
「……だけど、今回は元凶が私だから、ね。
だからちゃんと、責任は取るつもりだよ」
「………………へっ?」
だが、それはそれとして。
こんな沙明と出会うループも早々ないだろう。
それに元はと言えば私が悪いんだ。
今回のループぐらいは、ちゃんと沙明の相手してあげないとね。
私は徐に沙明に顔を近付ける。
沙明は素っ頓狂な声を上げた後、ブワッと顔が真っ赤になって。「ちょっと」「おい」「待て」と何故か焦り始めた。
鼻先が当たる位の距離になって、沙明はギュッと目を瞑る。真っ赤になってふるふる震える沙明がどこか可愛く見えて。それが悔しくて。
私はそんな沙明の頬を撫でると、その鼻先に口付けを落とした。
「……?………??」
「期待した?お口にベーゼを期待した?」
ちょっとした意地悪と、照れ隠しのつもりだった。
私はすぐ離れてニッと笑うと、沙明は耳まで真っ赤になって散々文句を言い続けた。
でも最後にはあんまりにも恥ずかしかったのか。
襟で顔半分隠して「見んな、バカ」って言われちゃった。
……そう言う割には、口元緩み切ってますケド?
−−−
「………………沙明」
「ンだよ、セツ?俺を御指名か?」
「ちょっと、Aと距離が近いんじゃないかな??」
「アッハァ!ジェラってんのか?
でも悪ィな、セツ。俺のアモーレは1人だけ、だからな」
「アモっ…?!…………どういう事、A?!」
「どうも、アモーレでぇす(諦め」
「つーコトでAは俺のコイビトになったってワケよ!俺達の愛のパゥワーでグノーシアもAC主義者もバグも全部全部優しく包み込んでキモチヨく終わらせてやろうぜ?」
「ソダネー」
「なっ…ふ、2人とも!手を繋がないの!あとそんなにくっつかない!!2人とも……っ、沙明!!!」
この後、2人仲良く冷凍されました♡
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