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ページ40

「……」

「……すぅ……すぅ……」



何の疑いもせず彼女は僕の手を握り締めると、少ししてまた寝息が聞こえた。

涙も止まり、表情もすっかり安心し切った顔だった。この僕の手をセツのモノだとでも思っているンだろうか。


……そうだったら、どれだけ良かっただろう。



「(全く……人がどんな思いで守っているのかも知らないで。

そうして守れなかった時の気持ちも知らないで)」



守護天使(・・・・)としての不甲斐なさに思わず自分で笑ってしまう。4日間、守ろうと決めた者は一向に襲われず、そのせいでもう4人も消されてしまった。

僕なりにグノーシアの思考パターンについて考え、守ったつもりだった。しかし、狙われなかった。こうも続くと正直言って今日もあまり期待はしていない。


どうやら、グノーシア連中も随分と捻くれ者らしい。

でも大体の目星は付いている。明日の議論で白黒付けてやろうじゃないか。



「いいだろう。それまでせめて君が夢を見る事なく安心して眠れるように。この僕が守ってあげるよ」



らしくもなくそんな事を口にすると、心做しか彼女の表情が柔らかくなった気がした。

そんな彼女の手を握ったまま僕は布団の中に戻ると、そっと頭を撫でてやった。



____おやすみ、グノーシア。

彼にはただの夢だった【沙明】→←*



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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年8月5日 15時

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