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「……申し訳ありません」
LeViに謝られた後、ステラさんにも謝られてしまった。
肩を落としてしょんぼりしていて、本当に申し訳ないって思ってるんだろうな。
そんな彼女を見ていると、さっきまでこの状況は作られたモノだと疑ってしまった自分が情けなくて、恥ずかしくて。
とりあえず「大丈夫だよ」「すぐ解決するっしょ」って笑ってみるけど、ステラさんの表情は晴れない。
そんな、(多分)ステラさんのせいじゃないのに……
どうにか彼女がこれ以上落ち込まないように。
俺は必死で考えてながら言葉を紡いだ。
「そんな暗い顔しないでよ!ステラさんのせいじゃないんだから!それより出た後の事、考えよ?」
「出た後……?」
「俺をお茶会に誘ってくれたじゃない?
実は俺、紅茶はあんまり飲んだ事ないから楽しみなんだ」
「まあ……そうなのですか?」
ステラさんに紅茶の話を振ったら、少し表情が明るくなった。俺が知らないながらも紅茶について色々聞いたら、ステラさんは何だか楽しそうに答えてくれた。
ステラさん、紅茶好きなのかな…?
まぁ、何にせよステラさんの気が紛れるようなら良かった。
「ははっ、ステラさんって議論の時はあんまり話さなかったけど、紅茶の話になるといっぱい話すんだね」
「…! す、すみません…!私ばかりお話してしまって…!」
「ううん、議論の時は仕方ないよね。俺もこうして話してる方がいいし。
それに俺は好きだな、今のステラさんの方が」
「……っ!!」
こんなにも楽しそうに話すステラさんは珍しい。
普段は真面目だし、セツとよく話すからあんまり絡まないってのもあるけれど。
だから新鮮で、こんな人だってもっと早く知らりたかったな、なんて。素直に思った事を口にする。
そうしたらステラさんの顔がブワッと真っ赤になった。
次の瞬間、食堂に雨が降り始めた。
「えっ?!何…?!何っ!?」
急な雨に俺は思わず顔を上げる。
いや、雨ではないな。だって此処は外じゃなく船内だ。となると……スプリンクラー、か?
え?でもどうして?
炎どころか、煙さえ出てないのに……
「す、スプリンクラーが誤作動を起こしてしまっているようです…!」
「ご、誤作動?!」
俺と同じように戸惑いながらもそう話すステラさん曰く、そうらしい。
扉が開かなくなったり、スプリンクラーが誤作動したり……この船、結構年季入ってる?確かに所々が古くさいなって思ってはいたケド……
*→←○○しないと出られない部屋2【ステラ】*特記事項ネタバレ注意
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