○○しないと出られない部屋2【ステラ】*特記事項ネタバレ注意 ページ33
・前作『○○しないと出られない部屋』の続編
−−−
「いや、またかよ」
それはまた唐突に起こった。
本当に唐突だった。
俺は食堂で食事をしていた。
因みに食べていたのはかけうどん。シンプルで美味しいよな。
で、食事も終わってお腹を休めていたんだ。
そんな時、ステラさんが食堂にやって来た。
ステラさんは食堂に俺がいる事に気付くと気さくに話し掛けて来てくれて。この後、紅茶を淹れるみたいだったのだが、一緒にどうだと誘われた。
そんなん行くに決まってる。
勿論、二つ返事で頷いて、早速ステラさんの部屋に行こうとしたんだ。
したんだ、けど。
「あら…?」
自動扉で人が近付けば開くはずの扉が、何故かいつまで経っても開かない。
ステラさんは何度も扉の前で一旦後ろに下がっては近付いて、って繰り返してたんだが、やっぱり開かない。
どうしたんだろう、って思ったと同時に
この光景にデジャブを感じた。
なーんか……前にもこんな事あったよなぁ…?
そん時もステラさんと一緒で、俺はステラさんに…
『現在食堂の扉のセンサーが正常に稼動しておりません。原因を解析していますので少々お待ち下さい』
「いや、またかよ」
…そうして、上記のセリフである。
思わず口にしてしまったら、ステラさんに「また…?」と首を傾げられ、俺は適当に誤魔化した。
ステラさんはループなんてしてないから、このハプニングは恐らく初めてだろう。俺は2回目だケド。
つーか…これ、またステラさんが仕組んでたりしないよね?
前に閉じ込められた後、何度かループを巡って知った。
ステラさんは擬知体LeViによって作られた人間端末。
つまりLeVi=ステラさんって事だ。
2人(いや1人?)が共謀して再びこの状況を作り出しているのだとしたら、きっと扉に異常なんて無いだろう。LeViが操作して開かないようにしてるだけだ。
前のループは知らなくて素直にステラさんと2人閉じ込められていたが、今回は分かってるからなぁ……どうしよ。
「うーん、他の人に助けを求められないかな?」
『現在、レムナン様にお声掛けしております。あの方はこういう事態に詳しい方なので』
「あ、助け呼んでくれるんだ…?」
『勿論です。このような不祥事に巻き込んでしまい申し訳ありません、A様』
今回も外に助けを求められないと思ってたんだけど、意外とそうでもなかった。
って、事は……コレは故意とかそんなんじゃなく、本当に不祥事……?
32人がお気に入り
「短編集」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ