○○しないと出られない部屋【ステラ】*特記事項ネタバレ注意 ページ25
・ステラ=LeViを主人公はまだ知らない
−−−
「はぁぁああ〜〜〜!!?閉じ込められたァァ!!?」
それは突然だった。
本当に、突然だった。
ステラさんに誘われて一緒に物置行ったのは良いんだよ。その中から荷物運ぶからって頼まれてさ。
で、結構数あったからさ。まずは荷物を粗方外に出してさ。さぁ、運ぶぞー!ってなった途端、さっきまで正常に開閉していたはずの扉が開かなくなった。
最初は故障かと思ってLeViに聞いてみたんだ。
案の定、扉の故障らしい。
思わず声出しちゃったね。
「さっきまで問題なく開いてたのに……急に?原因は?」
『現在、解析しています。もう少々お待ち下さい』
「LeViでもすぐに分からないの…?」
『申し訳ありません。私が至らぬばかりに……』
「いや、そんな謝る事じゃねーよ!
LeViって万能だとばっかり思ってたから……こっちこそごめんな。解析頼むわ」
狭い室内に閉じ込められ、頭ン中パニックになっちまって。LeViも原因が分からないっつーし。
でもふと、共に閉じ込められてしまったステラさんを見遣る。ステラさんは胸に手を当て俯いて、如何にも不安そうな表情をしていた。
あぁ、そりゃそうだろうな……こんな狭い部屋の中で俺なんて男と閉じ込められちまって……可哀想に。
彼女だって不安に思ってるんだから。
もしかしたら内心、俺よりパニックかもしれないし。
そう思って俺は一旦落ち着くと、何とか出られないかLeViに色々尋ねた。
「あ……他の部屋の奴らに助け呼んで貰えないかな?セツとか」
『…出来ません』
「え、マジか……じ、じゃあ!な、なんか無いか?この物置!ほら!バールのような物とか、扉破れそうな爆弾とか、ハッキング機器とか!」
『そのような物はありません』
「詰んだ」
……我ながら諦めが早いとは思う。
でもこれ以上に思い付かないんだよ。無理だって。
思わず頭を抱えてしまう。
何か、何かないのか……?この部屋からどうにか出る方法…!
あぁ、もうこうなったら俺が扉蹴破るしかねーか…?
その後の事は……知らないケド。
でもどうせループするんだ。弁償とか言われても逃げれるしいっか!(良くない)
「……あの、」
俺は早速、蹴破ろうと思って扉から距離を置いた。
その時、ふと不安げだったステラさんが口を開き、俺は動きを止めて彼女の方を見遣る。
ステラさんは何故か頬をほんのり染めて、胸の前で手を組むと、もじもじしながら言葉を続けた。
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