マリーゴールドをアナタに【沙明】 ページ22
・夢主≠主人公
−−−
「おーおー、こんな所にいたのか、お姫様？」
その声を聞いて、思わず肩がビクッと反応する。
恐る恐る振り返ると案の定、そこにいたのは沙明で。細い目を更に細め、睨む様に私を見下ろしていた。
驚いて固まっていると、沙明はズカズカとこちらに歩み寄る。腕を強く掴まれて思わず「いっ…」と声を漏らすと、沙明は一瞬眼光を解いた気がしたが、すぐまた厳しい表情をする。
でも私の腕を掴む手の力は幾分が緩めてくれた。
……離しては、くれなかったけれど。
「一体どこほっつき歩いてたんだ？あン？」
「ち、ちょっと……お腹が、空いて。空い、ちゃって……おやつ、を……」
「オイオイなら俺も連れてけって前も言ったろ？
そもそも、
「ほ、本当に、ちょっとだけ、だったから……それに、沙明……寝てた、から……」
「そーゆー時は叩き起こせって。それも前に言ったろ？お優しいのはイイ事だが、お前がそんな調子じゃ、こっちは落ち落ち寝られやしねーよ……」
「ご、ごめんなさい……」
私が謝ると、沙明はガシガシ頭を掻いた後、ほんの少しだけ安心したような顔をした。
その表情を見て、私はホッと胸を撫で下ろす。
が、次の瞬間。
頭上から、再び冷たい声が降り注ぐ。
「＿＿＿＿で？�爛┘気笋雖瓩漏擇靴�ったか？」
「っ……！！？」
心臓を鷲掴みにされたような恐怖。
顔を、上げられない。
沙明の表情が、分からない。
私は平然を装おうとするが、沙明にはすぐバレてしまった。
彼は私の腕を引っ張って引き寄せると、私の顎を掴んで無理やり顔を上げさせられた。
「だっ……だ、って……だって……！もう4日も何も食べてないんだよ？！あのままじゃ、死んじゃうからっ……！！」
「水はちゃんとやってるっての。人間は水飲んで寝りゃ2〜3週間は生きられるんだから。頻繁にエサやる必要ねーの」
「だ、だからって…！れ、レムナンを、あんなっ…！あんな場所に閉じ込めるのはっ……！せ、せめて……もっと、ちゃんとした部屋、とか……船内歩くぐらいならっ…！」
「ンなことしたら俺が収まらねーっつの。
これ以上、俺に寂しい思いさせないでくれよ？
これでも結構ガマンしてる方なんだぜ？」
沙明は苦しそうに笑いながらそう言った。
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