願うはディアスシア【ラキオ】 ページ15
・前作『そしてキミは寄生する』『約束の見張り番』夢主の話
・Nルート後、ラキオに付いてったif
・捏造めちゃくちゃ
−−−
「A、少しいいかな?」
ラキオに声を掛けられ、オレは思わず顔を顰めてしまった。
ヤツから声を掛けられる時は大体ろくでも事しかないからだ。
例えば、買い出しの付き添い(という名の荷物持ち)だったり。暇を持て余し人を見下す為だけの問題を出す意地の悪いクイズを出されたり。人より身軽だからって敵情視察とかスパイ紛いの事させようとしたり。
……あと、盗みしたのバレた時だったり。
「昨晩、君は1人で商業区に赴いたらしいね?」
「そっ…それが何だよ?別に行ったってイーだろ?子供じゃあるまいし」
「あぁ、別に構わないよ。君が僕との約束を守り、盗っ人紛いの事をしていなければね。
僕が指摘しているのはね、
商業区に行くならまず僕に声を掛けろと何度も言ったはずだけど?」
「だってお前に声掛けたら絶対付いて来るじゃん。しっかも人が買うモン手に取るモンに一々
「そうでもしないとすぐ店の物に手を出す君の手癖が悪いからだろう?この間なんて視察中に鉢合わせた政府の人間が身に付けていた石っころに目が眩んであわや大惨事になり掛けていたじゃないか」
「アレは別にイーだろ!闇市じゃクッソ高く売れる代物だったんだぞ!?それにどうせ革命でぶちのめす相手だったんだから、ちょっとくらいぶちのめす前に貰ったってイーじゃんか!」
「それでレムナンが怪我を負ったとしても、君はまだあの石っころが欲しいかい?」
「っ……」
……あぁ、ダメだ。コイツに口喧嘩で勝てるワケがない。
思わず黙り込むと、ラキオは呆れ顔を隠す事なく1つ溜息を吐いた。
そうだ。オレのせいでレムナンが無駄に怪我を負った。オレが奪った金品を取り返そうとしたヤツの手下に攻撃されて。それをアイツが庇って代わりに受けたから。
革命起こして戦いの真っ最中だってのに、反政府組織のリーダーであるレムナンが。オレのせいで。
この戦いにおいてレムナンの存在は大きいだろう。それ故に彼が戦地にいない間、政府の戦闘員相手にどう戦うか。
急遽策を講じなきゃならなくなったラキオの気苦労は想像できないし出来ればしたくないよ。
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