グノーシア短編集＊LOOP3＊ (ページ1)

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約束の見張り番【ラキオ】ページ1

・前作『そしてキミは寄生する』の続き

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「あのぉ〜〜〜、1つイイですか？」

「なンだい？」

「なんでさっきからボクに付き纏って来るんですかねぇ？」

……面倒な事になった。

まずルゥアンで一仕事しようと思った矢先のグノーシア騒動。セツとかいう軍人に言われるがまま避難した先の船の中でもグノーシア反応が出たとか言いやがって。
毎日誰をコールドスリープさせるかの議論に参加しなければならない羽目になった。

でもこの船めっちゃ立派だし、お宝とかありそうだから早速船長に取り入ろうとしたら今度はこのラキオとかいう派手目な男(いや、本人曰く汎？)のご登場だ。

コイツが厄介な事に、オレが行く先行く先に現れては特に何をするまでもなく、ただ自前のモニターを弄ってるだけ。

しかもオレが移動したら少し遅れて着いて来るんだ。
おかげでジョナスとも話せねーし、色々物色できねーし。散々だよ。

「付き纏ってる？止してくれないか。
僕が行く先に君がいるだけ。僕が行こうとする先に君が来るだけだ。勘違いも甚だしい。自惚れないでくれない？」

しかもコイツ、もうちょっと可愛げあればまだイイのに。全っ然可愛くない。愛想も無ければ遠慮もなく、ズケズケと物言いやがって。

こっちは明日の生活掛かってるっつーのに。
まぁ、話した所で理解はされないんだろーケド。

「じゃあ、もうちょっと時間置いてから来てくれないですかねぇ？正直、付き纏われてるって思われても仕方ないと思いますよ？」

「そう言われてもねぇ……僕だって好きで君の行く先々に向かってるわけじゃないンだよ。この船内には泥棒猫のニオイがプンプンしていてね。それが少し、気になるんだ」

「……泥棒、猫？」

内心ヒヤッとした。
まさかコイツ、オレが盗みしてるの勘づいてる……？

いや、そんな馬鹿な。
まだオレはこの船で何も行動起こしてねーぞ。
やろうとしてもコイツがいるから出来ねーだけだケド。

それとも、ただカマ掛けてるだけ？

だとしても、もうちょっとこう上手く言えよな。
炙り出そうとしてるんだろうが、そんなんで尻尾見せるワケないだろ。