かわいい逃亡 ページ8
「……やっぱりからかっているんですよ！毎日毎日、嫌と言っても言い続けているんですから……！」
「決め付けるのは良くないよ。そんなに気になるなら本人に直接聞いてみればいいじゃないか」
皆帆くんにそう言われた次の日、僕は早速彼女に尋ねた。
いつも通り朝の挨拶をしたら、やはり言われましたので。「今日もかわいいね」と。
なので、思い切って言ったんです。
「……僕の事�爐�わいい�瓩辰童世い泙垢韻譴鼻�具体的には何処が�爐�わいい�瓩任垢�？」
「えっ……」
そうしたら彼女は拍子抜けしたような顔をした。
こんな質問されるとは思わなかったんでしょう。
いつもは諦めて流していましたから。
そんな彼女に僕は続けた。
「毎日毎日飽きもせず僕の事を�爐�わいい�瓩噺世辰討い泙垢�、その実どこが�爐�わいい�瓩里�は言いませんよね？
皆帆くんから聞きましたよ。貴方、他の人には具体的に理由を言うみたいじゃないですか。なのに僕の時だけ何も言わずただ�爐�わいい�瓩函帖腸燭里弔發蠅覆鵑任垢�？僕をからかって楽しんでいるんですか？」
「………………」
後半、苛立ちが滲んで口調が強くなってしまいましたが、でもちゃんと自分の主張は言えたと思います。
彼女は最初、ぽかんと口を半開きにしたまま僕の話を聞いていましたが、彼女に問い掛けると「あの、」「えぇっと、」「その……」とごにょごにょ言い始めて、首に手を当て、僕から目をそらす。
ああ、やはり彼女は僕の事をからかっていたんですね。
今まで反論らしい反論もしなかった僕も悪いですが、そのせいで付け上がっていたんでしょう。
これに懲りて、今後少しは慎んで頂ければ……まぁ、許してあげない事もありませんけれど……
「…………わ、私…………
っ……わ、たしっ……そのっ…………」
そんな事を考えながら、彼女が謝るのを待っていたのですが、どういう事なんでしょう。
気付けば顔を耳まで真っ赤にさせながら、肩を震わせていました。
瞳もうるうるとしていて、今にも涙が溢れてしまいそう。
こんな彼女を見るのは、初めてでした。
「っ………ご、ごめん、
「へっ……？」
呆気に取られていると、彼女が謝るや否や真っ赤な顔を両手で覆い隠したまま駆け出してしまい、僕が呼び止める暇もなく彼女は走り去って行きました。
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