ただかわいいって言われるだけの話【真名部陣一郎】 (ページ20)

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かわいい彼女の事ページ20

「ハナ…ちゃんは、好きな物とかありますか？」

「かわいいモノ！かわいいのがだーいすき！」

「そうなんですか……確かにハナ…ちゃんの身に付けている物全てがかわいいですね」

「ほんと？嬉しい！」

それから僕達は宣言通りカフェに向かいました。

道中、他愛ない話で盛り上がり、お互いについて色々話しました。

その話に寄ると、彼女は本当にかわいいモノが大好きで、かわいいモノに取り囲まれている時が幸せなようです。

彼女の言う〝かわいい〟が具体的にどんなモノなのか。少し尋ねてみましたが、一貫性はなく。とにかく彼女が「かわいい！」と思ったモノは総じて〝かわいい〟ようです。

…………僕にはまだ理解できないようです。

「真名部…くんはかわいいモノって好き？」

「うーん……あまり意識した事はありませんね。
でもまぁ、かわいい動物を見ると癒される時はありますよね。猫とか……」

「分かる！猫ってかわいいよね！
普段はツンツンしてるけど〜、ふとした瞬間に甘えてくる所とか！マイペースな所とか！」

「ハナ…ちゃんは猫を飼育なされているのですか？」

「ううん、してない。父さ……パパが猫アレルギーで……ママもあんまり動物好きじゃないし……だから動画で我慢してるんだ〜」

そう話していてふと「そうだ！」とハナちゃんはおもむろにスマホを取り出した。

そのスマホもなんて言うか……かわいらしい物でした。
手帳型のカバーを付けていたのですが、ソレはパステルカラーに兎の模様が入った物で、キーホルダーも兎の尻尾をあしらっているような白くて丸くてふわふわしたチャームがぶら下がっていました。
もしかして兎が好きなのでしょうか……？

それによく見たらツメもかわいかったです。
ネイル、というのでしょうか？
これもパステルカラーに白の水玉模様で、しかも全ての指が違う色でした。

彼女はパステルカラーが好きなんでしょうか……？
髪の毛も淡い色ですし。