ただかわいいって言われるだけの話【真名部陣一郎】 (ページ17)

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かわいい待ち合わせページ17

次の日はいつもより時間の流れが遅く感じてしまいました。

というのも昨晩はいつもの就寝時間になっても眠れず、23時まで起きてしまっていたのです。
おかげで今朝は普段よりも1時間22分遅い目覚めとなってしまい、ボーッとする事が多かったと思います。

それでも何とか今日の練習メニューを熟し、無事終了すると僕は急いで着替えに自室に戻りました。

まぁ、着替えと言ってもジャージなんですけれど……だってこういう時って何着ればいいか、分からないじゃないですか。

それにイナズマジャパンのファンでもあるんですから。こっちの服装の方が喜んでくれるかと。

「(つ、着いたっ…！)」

着替えて大急ぎで待ち合わせ場所まで来ると、僕は周りに彼女らしき人がいない事を確認してから息を整える。

黒花さん曰く、待ち合わせ場所はアクアモールエリアのデパートの入口前……昨日、彼女と出会った場所です。
まだ彼女な来ていなかったみたいですけれど、待ち合わせ時間にはまだ早いですから当然でしょう。僕が早く来すぎたんです。

でもこれで彼女を待たせる事はなくて少し安心です。

「(それにしても……早く来すぎましたね。何処かで時間を……と、思いましたが、彼女との連絡手段はないですから、すれ違った時を考えると……)」

とはいえ、流石に早く来すぎました。
このままじっと此処で立っているのも暇です。

しかし彼女との連絡手段がありませんから、僕が此処を離れている間に彼女が来て、彼女も此処を離れたら……なんて考えると気が気ではありません。
あぁ、やはり連絡先は貰っておいた方が良かったでしょうか……

……いえ。最悪、黒花さんに連絡すれば、黒花さん経由で彼女に連絡する事は可能でしょう。でもその為に黒花さんに連絡するのは、ちょっと……

まぁ、どうしてもと言う時の最終手段にしましょう。

「(あぁ、待っている時間ってどうしてこう、もどかしいのか。それなのに時計の針は全然進まない……」

チラリ、入口前の拓けた場所にある時計塔を見遣る。
僕が到着してまだ2分と34秒。
約束の時間まではまだまだ時間があります。

息は大分整って来ましたけれど、何故か心臓の音だけはまだ落ち着きません。ドキドキといつもより早く脈打って、少しうるさいぐらいです。

……早く、来ないかな。