トシノサ【不動明王】Part16 (ページ7)

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オボエテナイのですページ7

待ちに待った週末。はい、週末です。つまり陣くん達と遊ぶ日です。遊ぶ日なのです。

ええ、ええ、いつもよりテンション高めでお送りしております。何せお泊まり込ですからね。キャリーケース引っ張って行くのは何だか旅行に行く気分でワクワクしてしまいます。

「歯ブラシセットは持って来ましたか？」

「はい、持って来ました」

「タオルは？」

「はい、入れました」

「着替えもちゃんと持って来ましたね？」

「当たり前じゃないですか」

「あとブランケットとか、防寒具とか、カイロとか、アイマスクとか……」

「そろそろ怒りますよ、陣くん」

待ち合わせはもっと違う所なのですが、家も近いので先に私と陣くんは合流。そのまま一緒に待ち合わせ場所まで向かいます。

向かっているのですが……何でしょうね。
陣くんはどうやら私を自分の娘と勘違いしているようです。まるで心配性の父親です。

「陣くんこそ、ちゃんと持って来る物持って来たんですか？」

「ええ、勿論！リストを作って1つ1つチェックしながら荷造りしましたからね」

「昔から持ち物をリスト化する所、変わりませんね」

「お泊まりで忘れ物をしたら困るでしょう？
いつしかのお泊まり会で着替えを忘れて困っていたのは誰ですか？」

「エーオボエテナイナーダレダロー？」

……相変わらず記憶力が宜しいようで。
だからあんなに過保護だったのですね。
理解しましたが納得はしてません。

でも今回はちゃんとキャリーの中に着替えを入れた記憶があるので御安心を。いつしかのように陣くんの服を借りるわけにもいきませんからね。

とまぁ、こんな話をしながら歩いていたら、あっという間に待ち合わせ場所に到着。

既にそこでは皆帆くんが待っていて、皆帆くんはこちらに気付くとブンブン手を振ってくれたので、私もブンブン振って返しました。

「おはよう、2人共」

「おはようございます」

「おはようです。お早いですね」

「今日が楽しみでいつもよりちょっと早起きしちゃってね」

「分かります、その気持ち」

「本当に…？今日寝坊しましたのに？」

「明日が楽しみだと中々寝付けないじゃないですか」

「分かるよ、その気持ち」

早速、朝寝坊の事をバラされて皆帆くんに苦笑いされてしまいました。