彼と呪文 ページ47
「Aさんは長い事、この呪文を掛けられているせいで、記憶力に影響が出ています」
「えっ？」
続けられた言葉に目を伏せていた俺は思わず顔を上げた。
脳裏に過ぎったのは、人の名前を中々覚えられないAの姿。ぺリオの名前だって結局覚えたのは最近で、それまでは『ペリカン』だとか『ペリー』だとかで呼んでは俺が毎回訂正していた。
単純にAが他人に興味がないから、覚える気がないんだと思っていたんだけど……まさか……
「人の名前を中々覚えられなかったり、
恐らくですが、記憶を奪う際に思い出すキッカケとなった出来事の記憶も片っ端から奪っているから、そのせいで余計な記憶まで奪われているのでしょう。
このままでは近い内、覚えているはずの人の名前や記憶までもが、思い出せなくなってしまうかもしれません。
最悪、この世界から一生出られないかもしれないのです」
……事態は思っていたよりも深刻だった。
Aは1日でも早く『
Aが何かを思い出そうとする度に記憶を奪われた結果、本来なら覚えていたはずの『
このままでは、俺達が此処から出るのに一体何日……いや、何年掛かるのだろう？時間を掛ければAでも覚えられるとは思うが……エリザベスのタイムリミットまでには間に合うだろうか？
いいや、今のAの記憶力なら間に合わせるのはほとんど不可能だ。
何より『
「じ、じゃあ……一刻も早く、記憶を取り戻さないといけないの？でもどうやって記憶を取り戻すの？その呪文を取り除く方法があるの？」
「取り除く事は出来ますが、とても難しいでしょう。それにはリラさん自身に解除して貰わなければいけないので。
ですが抗う術はあります」
焦燥で矢継ぎ早に質問してしまう。
エリザベスや団長達の事を考えると、落ち着いてなんかいられなくて。
そんな俺に対して彼は�爛◆璽泪鵐畢瓩蕕靴�ない、冷静な態度で至極単純な解決策を続けた。
「Aさんが思い出すまで、あの化け物共から守り切れば良いのです」
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＊IJu＊(プロフ) - [漆黒の堕天使]夜愛師刹羅さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです！自分も「さっさとくっつけばいいのに……」って思いながらいつも書いてます←？？ (2023年4月1日 23時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
[漆黒の堕天使]夜愛師刹羅(プロフ) - こうゆうじれったい+自覚がないようなラブコメ……好み！！いやらしい雰囲気にしたくなります(余計なお世話？) (2023年4月1日 0時) (レス) id: 87644745f4 (このIDを非表示/違反報告)
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