彼女の狩場 ページ31
小屋を出て、1人出歩く。周りは文字通り真っ黒な木々ばかり。脇の道に行くと湖があるのは知ってるが、それ以外はほとんど知らない。
……知らないはずなのに、何故だろう。
どうしてこうも、懐かしいと思ってしまうのか。
「(魔女族と森は密接な繋がりがあるらしいけど……多分、そういうのじゃないんだろうな)」
そんな事をぼんやり考えながら、道なりに沿ってただ歩いてみる。
最も、この知識は魔女族になった瞬間に勝手に植え付けられるモノだから、僕自身あんまり詳しくは知らないケド。
この森は色は妙だが、小鳥の声や風で木々が揺らめく音、森の動物達の声がちゃんと聞こえるんだから面白い。
どうやら音まではバグってないらしい。
「(さぁて、どうしようっかなぁ……いや、狩りはするんだけど。何処がいいんだろう……？」
リラに言った手前、手持ち無沙汰で帰るワケにはいかない。
しかし、かと言って何処で狩りをすればいいのかなんて分からない。この森を探索するのは初めて……の、はずだから。
まずは獲物が来るような所を探さなきゃな。
そんでなるべく生け捕りにしないと。
ゴウセルもまた大量に連れて来るだろうし、ヤツの苦労を徒労で終わらせたくはない。
「そこの道を逸れた所にある獣道を通ると、穴場のスポットがある。そこで狩りをするといい」
「りょーかい。ありがと、ゴウセ……」
と、その時。不意に背後から聞き覚えのある声が聞こえた。
あんまりにも自然だったから普通に話してしまったが、直後に気付いて僕はバッと振り返ると、そこには案の定ヤツがいた。
……の、だが……可笑しい。
アイツ、あんな服着てたっけな……？
確か昨日までは短パンで妙ちきりんな模様の入った服を着ていたと思うんだが……今のヤツの格好はまた別の意味で妙ちきりんで。ズボンも長いし、服に穴空いてるし。
しかも、よく見覚えがある。
あの服は確か……そうだ。僕が記憶をゴウセルに消され、ヤツと共にオーダンの近くの山小屋に住んでいた時に着ていた服装だ。
いつの間に着替えたんだ……？
「あそこなら
ゆっくり1人で狩りが出来るぞ」
「…………は？」
しかも急に妙な事を続けやがった。
つーか喋り方もなんか……変だな。
まるで前の……心を持っている事に気付いていなかった以前のゴウセルのような、淡々とした喋り方だった。
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＊IJu＊(プロフ) - [漆黒の堕天使]夜愛師刹羅さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けているようで作者も嬉しいです！自分も「さっさとくっつけばいいのに……」って思いながらいつも書いてます←？？ (2023年4月1日 23時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
[漆黒の堕天使]夜愛師刹羅(プロフ) - こうゆうじれったい+自覚がないようなラブコメ……好み！！いやらしい雰囲気にしたくなります(余計なお世話？) (2023年4月1日 0時) (レス) id: 87644745f4 (このIDを非表示/違反報告)
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