箱庭少女の孤高哀歌【瞬木隼人】〜番外編2〜

#珍しい組み合わせ〜夢主〜 ページ16

パンフレットに従い着いたのはお目当てのウォータースライダー。

此処は海賊の冒険をテーマにしたアトラクションで、ボートに乗って海賊と共に冒険しよう！って感じのアトラクションだ。そしてさっき遠目でも見たように、最後には高い所から落ちるの。
スリルがあって、このテーマパーク内でも1、2を争う人気のアトラクションだ。


船乗りの格好したキャストに招かれ、薄暗いトンネルを抜けると、船着場のような所に到着。
海賊船風のボートが既に止まっており、そこには既に先客が乗っていた。



霧野「おっ！瞬木〜！ヰ空〜！」

神童「それと……瞬木の弟か？」

剣城「……」



先頭に神童くんと確か……霧野くん。
その後ろに剣城くんがそれぞれ座っていた。

神童くんと剣城くんは新撰組の格好で、霧野くんはアラビアンな…盗賊風？の格好をしていた。


霧野くんがこちらにすぐ気付いて手を振ると、2人も気付いてくれた。私と瞬くん、雄太くんは手を振り返し、はー君は軽く会釈する。

そのまま私達も乗り込んだ。
瞬くんと雄太くんが前から2番目……つまり剣城くんの隣で、私とはー君はその後ろに。瞬くん達は出来るだけ前がいいって言ってたからね。



A「なんだか珍しいね、この組み合わせ」

霧野「そうか？まぁ、成り行きでこうはなったんだが…」

A「成り行き？」

神童「元々は俺と霧野の2人だったんだが、途中で剣城達と会ってな。一緒に乗らないかって誘ったんだ」

剣城「本当は兄さんも一緒にって誘われたんだが……兄さんはあまりこういうのは得意じゃないそうでな。結局、俺だけ乗りに来たんだ」

A「そっかぁ……じゃあ、お兄さんの分も楽しまないとね」

剣城「……あぁ」



最初に来た時、この3人の組み合わせはあまり想像できなかったから不思議に思ったけれど、どうやらそういう事らしい。

剣城くんのお兄さんって確か足がまだ治ってないんだっけ……？今日来た時も車椅子に乗って松葉杖持ってたし……だとしたら動きの激しいアトラクションはちょっと怖いよね。


でもだからって剣城くんがこういうのに乗るのはやっぱり想像できなかったから、ちょっとビックリ。

剣城くんも楽しんでくれているみたいで良かった。

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