◇ラプンツェルのし返し ページ49
「へっ…？！」
考えながら歩いていたら、ふと自分の名前を呼ばれてビックリする。
……いや、正確には名前なんかじゃないけれど。
ただ、あまりにも呼ばれ慣れているせいで、なんか……あだ名みたいになっているというか。
それに、そんな風に私を呼ぶのはこの世に1人しかいない。
私は声のした方を見ると
そこには案の定、フドウが立っていた。
「ふ、フドウっ……？！」
「よぉ、マヌケヅラ」
私はまた驚いてしまう。
だってだって、フドウがいるなんて思わなかったから。
でも対してフドウは相変わらずムカつく顔して笑ってさ。また悪口で私の事を呼ぶんだ。
折角、練習前にクーラーボックス半分持ってくれた時は優しいなぁ、って思ってたのにな……
どうしてこの人は自分から株を落としに来るんだろう？
「な、何でフドウがこんな所にいるの？」
「別に何処にいたって不思議じゃないだろ？」
「変だよ！普段は練習終わったらすーぐ部屋に引きこもるクセに！」
「……人を引きこもり扱いするなよ」
意地悪されたらし返せばいい！
だから敢えて私はそう言うと、フドウは途端にムッとした顔をする。でもそれだけだった。
溜息を吐いてから、おもむろに小脇に抱えたサッカーボールを指し示しながら続けた。
「練習してたんだよ。ほら、前と同じくあそこで」
「あそこ、って……鉄塔の下の森みたいな所？」
「そーそー」
どうやらフドウ、練習が終わった後も練習してたみたい。練習終わっても自主練するんだから凄いよね。
そこは素直に関心しちゃった。
でも……それにしてはやけにボールが綺麗だな、とは思った。
いや、今フドウが持ってるボールも十分小汚い部類に入るとは思うけど……前の時はもっともっと泥んこに染まってて、触るのも嫌だな、って思うくらいだったんだけど。
今回はボールが汚れるような練習の仕方じゃなかったのかな……？
「で？お前は？」
「……？何が？」
「病院、行って来たんだろ？どーだったんだ？」
「あー……」
私が聞いたら今度はフドウの番。
でもその質問は答えづらくて、私は思わずフドウから目をそらした。
そうしたら、フドウの顔がちょっと強ばった気がした。
だから慌てて私は目を合わせると、笑顔を作ってなるべく元気良く答えた。
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＊IJu＊(プロフ) - カニ味噌汁さん» コメントありがとうございます！そんなにお褒め頂き嬉しいです…！楽しんで頂けているようで^^更新頑張りますー！ (2022年10月17日 1時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
カニ味噌汁(プロフ) - 今まで見てきたイナイレの作品の中で一番好きです！更新頑張ってください！ (2022年10月11日 4時) (レス) @page45 id: cefe10f937 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2022年9月10日 1時) (レス) @page38 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃん(プロフ) - 更新ありがとうございます！本当最高です！ (2022年8月11日 16時) (レス) @page30 id: b236fc8679 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - たけのこさん» コメントありがとうございます…！気に入って下さって嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2022年8月8日 14時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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