◇ラプンツェルとホットミルク ページ38
疑問が沢山あったけど、とりあえずフドウに言われた通り、小さい鍋を探す事に。
と言っても場所はわかってるからすぐ見つけたけれど。
で、フドウの所に持って行ったら、フドウはもう材料を並べて待っていた。
とは言っても牛乳だけだったけれど。
「お鍋、あったけど……」
「おー、それ貸せ」
「はい……」
言われるがままフドウに見つけた小さなお鍋を渡すと、フドウはそのお鍋の中に牛乳を注ぐ。
そうしてそのまま弱火で火にかけ始め、お玉でぐるぐると中身を混ぜる。
もしかして、コレって……ホットミルク？
「……そんな珍しいか？」
「へっ？」
ジーッとかき混ぜられるお鍋の中身を見ていると、不意にフドウが横目で私を見遣る。
答え方にちょっと迷って、でも確かに珍しく思ったので私は頷くと、フドウは片目を眇めて視線をお鍋に戻し、自嘲するように笑った。
「……ま、確かに俺の柄じゃねェな」
「フドウ、お料理できるの？」
「少なくとも、どっかの誰かさんよりかは出来ますよ？」
「い、意外な特技…！」
……言い方が気に食わないけれど。
でもフドウがお料理できるなんて初耳。
そういうのは出来ないと思ってた。
フドウの手料理かぁ……どんなのかちょっと食べてみたいかも。
「おい、コップ出して来い。2つ」
「あ、うん…！」
どんな料理作るのかな、って考え始めていたら、ふとフドウがそう言ったので私は食器棚からカップを2つ出してフドウの元へ。
そうしたらフドウはお鍋の中身を頭で掬い、最初にちょっとだけカップの1つに入れて味見。(と言うか温度を確認してたっぽい？)
で、大丈夫だったみたいで、出来上がったホットミルクをカップに注いでいく。
「ほい、完成」
「わーい！」
並々と注がれたカップを1つ私に差し出し、私はそれを受け取った。牛乳と量、多かったみたい。
あんまりにもいっぱいで少しでも揺らすと零れそうだったので、私はその場でまず1口啜る。
ほんのり甘くて、あったかくて、美味しかった。
うーん……でもちょっと甘さが足りないかも……
「…蜂蜜でも入れたらどうだ？」
「へっ？……フドウ、今私の心読んだ？」
「顔に書いてある」
「えっ」
口に出てないのに思っている事を当てられ、私は目を瞬かせたけど、単純に私の顔がうるさかっただけみたい。
「分かりやすいお子ちゃまで助かる」なんて意地悪く笑いながら続けられ、私は思わずフドウから目をそらし、自分の頬に触れた。
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＊IJu＊(プロフ) - カニ味噌汁さん» コメントありがとうございます！そんなにお褒め頂き嬉しいです…！楽しんで頂けているようで^^更新頑張りますー！ (2022年10月17日 1時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
カニ味噌汁(プロフ) - 今まで見てきたイナイレの作品の中で一番好きです！更新頑張ってください！ (2022年10月11日 4時) (レス) @page45 id: cefe10f937 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2022年9月10日 1時) (レス) @page38 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃん(プロフ) - 更新ありがとうございます！本当最高です！ (2022年8月11日 16時) (レス) @page30 id: b236fc8679 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - たけのこさん» コメントありがとうございます…！気に入って下さって嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2022年8月8日 14時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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