◇ラプンツェルの危機感 ページ11
「…………ふぅん」
フドウに見せてから私は宝物を御守りにしまうと、ふと頭上で気のない生返事が聞こえた。
フドウは何故か私から目をそらし、何とも言えない表情をしていた。
素直じゃないなぁ。まだ言ってくれないんだなぁって私は内心笑ってしまう。
このクローバーをくれたのは誰かなんて、私はもうとっくに知ってるのに。
「…ありがとう、フドウ！」
「……」
「御守り、見つけてくれて！」
そんなフドウに私はお礼を言うと
フドウは「おー…」とだけ返して、すぐ踵を返す。
咄嗟にフドウの服の裾を掴んで「何処行くの？」と尋ねると、フドウは振り返っていつも通り応えた。
「何処、って…部屋に戻るに決まってるだろ？用件もう済んだんだから」
「えぇ〜？折角お部屋に来たんだし、もうちょっとだけお話しようよ〜？」
「……あのなぁ？」
どうやら御守りを渡す為だけにこの部屋に来たみたい。
それは良いんだけれど、こうやってフドウが私のお部屋に来る事なんてそうそうに無いんだし、折角ならもうちょっとお話したかった。
でもフドウは呆れたような顔をして身体ごと向き直ると
呆れたような口調で続けた。
「良い子はおねんねの時間だろ？
そうでなくても、こちとら代表選手様なんだぞ？
マネージャーが選手の健康を阻害してイイんですか？」
「うぐっ……」
な、なんでこういう時に限ってちゃんとした事言うのかな……
確かに夜更かしは次の日のコンディションに関わるし
寝不足はあらゆる身体・精神に影響を及ぼす。
選手の皆が全力で試合に望むには、健康を何よりも考えなきゃいけない。
私達マネージャーはそれをサポートしていかなきゃいけないのに。
マネージャーとしての自分と、ただフドウとお話したい自分。矛盾するその2つが私の中で存在してしまい、私は思わず頭を抱えた。
「………………それに、」
少しの間、うんうん唸って考えていたら
ふと、フドウがまた口を開く。
不意にフドウは私の肩に手を置くと、そのまま軽く後ろに押して来た。急な事に驚いて咄嗟に抵抗する間も無く、そのまま私は後ろに倒れた。
そうしたら驚く事に、フドウもベッドの上に腰掛けた。
そうして私の顔の横に手をついて、私をじっと見下ろす。
ギシギシとベッドが軋む。
暫くフドウはその体制のまま、私を見下ろすので
私は頭が追いつかずキョトンとしてしまっていると
フドウは微かに眉を顰めて、不機嫌そうな顔をした。
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＊IJu＊(プロフ) - カニ味噌汁さん» コメントありがとうございます！そんなにお褒め頂き嬉しいです…！楽しんで頂けているようで^^更新頑張りますー！ (2022年10月17日 1時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
カニ味噌汁(プロフ) - 今まで見てきたイナイレの作品の中で一番好きです！更新頑張ってください！ (2022年10月11日 4時) (レス) @page45 id: cefe10f937 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2022年9月10日 1時) (レス) @page38 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃん(プロフ) - 更新ありがとうございます！本当最高です！ (2022年8月11日 16時) (レス) @page30 id: b236fc8679 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - たけのこさん» コメントありがとうございます…！気に入って下さって嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2022年8月8日 14時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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