◇ラプンツェルと半分こ ページ45
「…………へっ？」
フドウの発言に私は目を白黒させる。
そうしたらフドウは呆れたような顔をして、もう一度同じ事を口にした。
「お前の方、持ちあげろって。運びたいんだろ？」
「えっ…え？でも……」
「半分持ってやるって言ってんだ。
……それとも、全部持ってあげましょうか？」
「い、いやっ！持つ！持つから！持つから待って！」
冗談だと思うけど、慌てて私は反対側の持ち手を持つと、フドウは片手で楽々とクーラーボックスを持ち上げた。
私も両手で持ち上げると、フドウを先頭にそのままグラウンドへと向かった。
ま、まさか半分持ってくれるとは思わなかった……
しかもフドウ、半分とは言え簡単に持ち上げるんだ。
やっぱり選手は鍛えてる分、筋肉凄いんだなぁ……
……いや、私とメガネが非力なだけか。
しかもフドウ、ちゃんと私に合わせて進んでくれてる。さっさと先に行くわけでも、のろのろ歩くわけでもなく。
先頭歩いてるのも、私だと後ろ向きに歩くから危ないと思ってる……の、かな？それともたまたま？
フドウの事だから聞いても教えてくれないんだろうな。
「何処に置けばいい？」
「えっと、ベンチの端っこ！」
「ん、」
グラウンドに着いて、ベンチの方に向かうと、フドウはベンチの高さ分、クーラーボックスを更に持ち上げた。
なので私も合わせて持ち上げて、ベンチの上に置く事が出来た。
「ありがとうフドウ！すっごく助かった！」
ベンチに置いたらさっさと行こうとするフドウに私は慌ててお礼を言うと、フドウは振り返って眉を顰める。……なんで？
でも次の瞬間にはニヤッと意地悪く笑って、いつもの意地悪なセリフを口にした。
「そりゃ、よーござんした。
お仕事サボるなよ、ちんちくりん」
「なっ……さ、サボってないもん！！サボらないもん！！」
……折角いい事してくれたのに、なんでそういう事言うかなぁ……しかもそのまま行っちゃったし。
でもでも今の意地悪は私にとってはあんまり意地悪くないかも。
だって私にマネージャーのお仕事、任せてくれるんだもん。他の皆みたいに「無理するな」とか言わないんだもん。
フドウは私の事をちゃんと�猊當未凌有瓩箸靴童�てくれているのかな。それとも、フドウなりの意地悪なのかな？
どっちにしても、悪い気はしなかった。
やっぱり優しいなぁって思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 240人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「イナズマイレブン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - カニ味噌汁さん» コメントありがとうございます！そんなにお褒め頂き嬉しいです…！楽しんで頂けているようで^^更新頑張りますー！ (2022年10月17日 1時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
カニ味噌汁(プロフ) - 今まで見てきたイナイレの作品の中で一番好きです！更新頑張ってください！ (2022年10月11日 4時) (レス) @page45 id: cefe10f937 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2022年9月10日 1時) (レス) @page38 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃん(プロフ) - 更新ありがとうございます！本当最高です！ (2022年8月11日 16時) (レス) @page30 id: b236fc8679 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - たけのこさん» コメントありがとうございます…！気に入って下さって嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2022年8月8日 14時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
