共犯者【沙明】 ページ35
・Nルート後、沙明についてったif
・主人公が人殺し
−−−
「A……?な、ナニしてんだ、そんな所、で……」
終わった。
脳裏に過ぎったその言葉。
私はようやく持っていた
恐る恐る振り返ると、そこにいたのは沙明だった。
彼は目の前の
対して私は弁解しようにも、声が出せなくて。
ただ半歩後ろに後退り、首を横に振るだけだった。
……違うの。
違うの。
私は、こんな事したかったわけじゃない。
突然襲われそうになったから、反撃した。それだけ。
殴った鉄棒も適当に手にした物だ。此処は資材置き場だから。
ただ、相手が予想以上にしぶとくて……
何度殴っても迫って来るから、更に殴っただけなの。
そうしたら、たまたま……そう!たまたま!
殴った場所が悪くて、グシャッて音がして!血を流して、そのまま……倒れて…………
「し……しゃあ……みん……」
怖かった。
襲われた時も怖かったけれど、今はそれ以上に怖かった。
正直、沙明が来てくれて少しホッとした部分もあり、彼の顔を見て私はボロボロと涙が溢れた。
ああ、でも沙明はそうでないだろう。
だって、傍から見たら今の私は人殺しだ。
凶器を捨てたとはいえ、返り血で染まった私を沙明はどう思うのだろう?
少なくとも、私が彼に抱いていたこの気持ちが
今、この瞬間叶わなくなったのは想像に難くなかった。
「……A……」
「ち、がう……違う、のっ……!私……わ、わたし……ち、違く、て……!」
言葉が、上手く出てこない。
沙明は説明して欲しいんだろうけれど、私はただ『違う』としか言えなくて。首を横に振りながら、ただただ否定する。
沙明は……沙明は、何を考えているんだろう?
彼の視線は再び、私を襲って来た男に向けられる。
あぁ、このまま通報されるんだ。
銀河警察を呼ばれて、私は捕まるんだ。
この後の事が容易に想像できる。
でも逃げる事もせず私はただ震えていると、不意に沙明は動き出した。
「____大丈夫か?」
「…………えっ……?」
沙明はおもむろに私の前へ。
怒鳴られたり罵詈雑言でも言われるのかと思って身構えていたが、降り注がれた言葉はあまりにも優しくて。
私は思わず顔を上げると、沙明はそっと私を抱き締めた。
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*IJu*(プロフ) - ハムエッグさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで嬉しいです(ㅅ´꒳` )これからも更新がんばります〜! (2月7日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ハムエッグ(プロフ) - この作品好きすぎて一気見しちゃいました.....!! (2月6日 16時) (レス) @page26 id: e9b251311b (このIDを非表示/違反報告)
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