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完全不貞腐れモードで足をゆらゆらさせながら、言いつけ通り大人しくしていると、不意に俺の頭に影が落ちる。


ラキオが顔を覗き込んででもいるのだろうか。何よ今更。

意地でも顔を上げないでいようと思った矢先、俺の顎の下に細い彼の右手が伸びて、俺の顔を軽々と持ち上げた。


必然的に顔は上を向き、再びラキオと目が合う。
ラキオは俺と目が合うとすぅ、と目を細めた後、ゆっくりと近付いて俺の額に触れるだけの口付けを落とした。


急だったからちょっとビックリしたけど、慌てて俺は眉を顰めて取り繕った。



「……キス1つで俺のご機嫌が直るとでもォ?」

「おや?ならもう1つ如何かな?」

「今度はお口に欲し〜なァ?」

「いいだろう。おいで」



何とか顰めっ面を維持した俺はその言葉を受けて寝返りを打つと、半身を起こしてラキオと向かい合う。


両腕を広げるラキオの胸に飛び込んで、今度は唇にしてもらうと、さっきのモヤモヤとか全部吹っ飛んじゃって。

我ながらチョロいなと思いながらも、俺はそのままラキオの首に腕を回して抱き締めた。



「返信までもう少しだから。それが終わったら存分に構ってあげるよ」

「ホントォ?この後に連絡来ても全部無視しろよ?」

「……緊急の連絡以外は善処するよ」

「緊急は仕方ないね。流石に許す」



ラキオは両腕で俺を受け止めた後、そう言ってまた画面の操作に戻った。

でも片手は俺の背中を抱えたままだし、何よりコレの返信が終わったらちゃんとデートしてくれそうだから安心。


これは良い子で待ってなくちゃ。



「…………ところで、映画の事だけど」

「んぁ?」

「僕も同行させてもらっても?」

「えぇ〜?別にイイけどォ…?」

「……けど?」

「前に見た映画の続編だからなァ……
終わった後、前みたいにブチブチ言うなよ。分かった?」

「…………まだあんな映画にお熱なのかい?
つくづくキミは物好きだね……」

「オイ」

共犯者【沙明】→←*



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*IJu*(プロフ) - ハムエッグさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで嬉しいです(ㅅ´꒳` )これからも更新がんばります〜! (2月7日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ハムエッグ(プロフ) - この作品好きすぎて一気見しちゃいました.....!! (2月6日 16時) (レス) @page26 id: e9b251311b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年12月17日 0時

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