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「……やァっとこっち向いてくれた」
「僕は
「なんだよ、電話しちゃダメなのかァ?じゃあメッセでやり取りすっから端末返して」
「…………いや、信用ならないから明日までコレは没収させてもらうよ」
「えー、酷くなーい?」
「それと、」
俺の端末なのに何の権限があって没収するのか。
腕を伸ばして端末を返して貰おうとするも、ラキオに遠ざけられ、逆にラキオの顔がズイッと俺に近づいて来た。
鼻先が触れ合うような距離でじーっと睨まれる。
吸い込まれそうな程澄んだ翡翠色の瞳に思わずドキリと胸が高鳴ったのがすっごく悔しかった。
「キミに暫く休暇はないからそのつもりで」
「はァア!?何で!?」
「分かるだろう?
「だからって休暇ナシとかキツ過ぎませんか??」
「革命をやり遂げた責任を僕達が取らなくてどうするの?本来ならキミとのこの時間も尽力しなくちゃいけないのに。皆が『休め』ってしつこいから、こうして部屋で大人しくしてやってるって言うのに……」
あーあー始まった。
ブツブツグチグチ始まった。
こうなると暫く止まんないんだよなコイツ。
しかもこの間にも画面を触る手は止まらないのがムカつく。マルチタスク脳め。
適当に相槌打ちながら聞き流してたけど、なんかだんだんモヤって来て、思わず視線を落とす。
……お家デート、失敗だったかな。
ただラキオに休んで欲しかっただけだったのにな。
ホントだったらさ、折角の3ヶ月記念日だし、出掛けたかったよ。それこそ他の星とかさ。
でも出掛けたら、ただでさえ体力の無いラキオが疲れるだけになるかなって思ってやめたんだ。明日はフツーにまた動くらしいし。
今日1日だけでもちゃんと休んで欲しかった。
記念日とか関係なく、ただ休んで欲しかったんだ。
「あー、もう。悪かったって。
いいよ、もう。好きにしろよ。
俺言われた通り大人しくしてるから」
「……」
俺はもう、なんか嫌になって。
そんな事を言ってそっぽを向いた。
子供みたいだって?笑うがいいさ。
俺の気も知らないで無理するラキオがいけないんだもん。プンプン。
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*IJu*(プロフ) - ハムエッグさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで嬉しいです(ㅅ´꒳` )これからも更新がんばります〜! (2月7日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ハムエッグ(プロフ) - この作品好きすぎて一気見しちゃいました.....!! (2月6日 16時) (レス) @page26 id: e9b251311b (このIDを非表示/違反報告)
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