グノーシア短編集＊LOOP4＊

＊ ページ4

それからラキオは度々俺の部屋を訪れては、食事やら飲み物やら暇潰し用のゲームやらを差し入れてくれた。

は？ラキオがそんな事してくれるワケないって？俺もそう思ってたよ。また部屋に来るまでは。


しかもちゃんとまともに世話してくれるんだ。
食べ物は胃が消化しやすいお粥とかでさ。デザートにアイスまで付いて。飲み物も生姜湯で中からポカポカ。蜂蜜入りで喉にも優しい。
しかもさっき加湿器も持って来てくれたんだ。鼻水も出てきたって話したから。更に俺が欠席した議論の内容を(まぁ時々小馬鹿にされたり独断と偏見を交えたグノーシア考察があったりはしたが)分かりやすく教えてくれるし。

ゲームだってわざわざしげみちとレムナンからオススメされたやつみたいでさ。面白いのなんの。変な生命体100匹引き連れて洞窟潜ったりデカい生物ぶっ倒すゲームなんですけど。夢中になってやってたらさっきストーリー全クリした。


正直、頭が追い付いてない。

まさか普段世話してる人間にこんなに世話されるとは夢にも思わなかったから。しかも完璧と来た。

完璧過ぎてセツとかジナとかしげみちが俺の様子見に来てくれた時、俺の為に何かしてくれようとしてたけど、マジでラキオが全部やってくれてたから何にもなくて。なんか逆に申し訳なかった。


誰が想像できようか。あのラキオが甲斐甲斐しく人の世話を焼くなんて。

と言うか忙しくないのかな。さっき忙しいって言ってた気がするんだけど。いつものループならグノーシア探す傍らで自分が進めてる研究もやっちゃう人なのに。自分の時間は貴重だなんだと普段から言ってたんだけど。


何だかんだで心配してくれている……のか？あのラキオが？

それとも案に『さっさと治してとっとと議論出ろ』って事なのかな。

いや、後者だとしたら間違いなくラキオはコールドスリープさせようとして来そうだしなぁ。『疑わしきは罰せよ』ってね。



「(でも…おかげで体調はめっちゃ良くなって来た……)」



しかしここ数日のラキオの献身(？)のおかげで俺の体調はみるみる回復。熱もほぼ無いし鼻水も寒気ももう無い。思考もちゃんと出来るから明日からは議論に出れそうだ。

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