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光誘われ羽休め【沙明】 ページ24

・Nルート後の話



−−−



あのルゥアンでのグノーシア騒動の後、船員達とは年に何回か集まって酒盛りをするような仲になった。

たった1度、しかもたまたま乗り合わせた者同士だと言うのに不思議な縁だと思う。
……まぁ、ループしていた私にとっては最早みんな昔からの友達みたいな感覚なんだケド。


これもループの影響か。それともたまたま皆の波長が合ったのか。一部の船員は一緒に住んでる人達もいるし、本当に不思議だ。

私はと言えば、特に記憶が戻る事も無ければ他に行く所もなく。皆が船を降りた後も暫くジョナスの船に居候みたいな感じで過ごした後、途中で立ち寄った星が気に入って今はそこに住んでいる。


今日はルゥアンでのグノーシア騒動があったあの日。つまり船員達が必ず集まる日だ。
主にSQちゃんが皆を集め、ジョナスの船であの日のように自由に過ごすのだ。まぁ、メインは酒でしょうケド。

まるで何かの記念日のように物騒なあの日に集まるのは些か不謹慎な気もするが、そのおかげで人生が好転した人もいるし、私は密かに皆に会うのが楽しみだったりするので文句はなかった。

この日になると不思議と散り散りになったはずの皆が集まって来る。……まぁ、一部の船員は行方不明だったり、猫になってたりしますけれども。
あと、その中にセツはいないけれども。


でも彼等、彼女等と一緒にいると自然と頭に思い浮かぶから。セツもいない気はしないな。



−−−



「カンパーーイ!!」



ジョナスの長い長い演説が終わる前にSQちゃんがそう言うと、皆でグラスを掲げた。

船内は驚くほど何も変わっていなかった。
機械部分は流石に変わっているらしいが、内装はあの頃のまま。まるで時間が止まっているよう。

だから思わずセツを探してしまいそうになってしまう。


彼がいたら一体私に何て声を掛けてくれるんだろう?どんな風になっているんだろう?

そんな事を考えながらグラスを傾けると、SQちゃんに呼び止められた。


あの頃よりも大人っぽくなったけれど、中身はあんまり変わってない。そんなSQちゃんに絡まれ、腕を引っ張られる。そうして座った席の前には大量の食べ物と、隣で微笑み佇むジナ。

この先の展開は容易に想像できて私の頬が引き攣っていく。しかしSQちゃんに「手伝って!」と泣き付かれては断る事も出来ず、私は持っていたグラスをテーブルに置くと、代わりにフォークとナイフを装備した。

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*IJu*(プロフ) - ハムエッグさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで嬉しいです(ㅅ´꒳` )これからも更新がんばります〜! (2月7日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ハムエッグ(プロフ) - この作品好きすぎて一気見しちゃいました.....!! (2月6日 16時) (レス) @page26 id: e9b251311b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年12月17日 0時

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