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「はっ……?!」
7日。あぁ、彼女がいなくなって7日が経った。
僕はベッドから起き上がると、いつもの様にメッセージが来ていないか確認する。
ろくに寝ていないから体が重く感じる。
何とか半身を起こして端末を起動させ、寝ぼけ眼で画面を眺めていると、不意に端末が震え目が冴えた。
画面に映る着信画面。相手は件の彼女の名前だった。
すぐ様僕は『応答』のボタンを押すと、画面がパッと切り替わる。どうやらビデオ通話だったらしい。
そうして画面に映し出されたのは、ここ暫くこの基地で見なくなった彼女の顔だった。
『あ〜……もしもし?ラキオ?聞こえる?』
「…………」
『って、ラキオまだメイクしてないじゃん!もしかして寝起き……?てか目のクマすご……
……えっと、これ掛け直した方がいいかな?』
「…………〜〜〜〜っ!!!!」
最初は目を泳がせ、ソワソワと落ち着かなかった彼女。そのあまりのマヌケ顔に僕は言葉を失い、暫く呆然と画面を眺めていた。
すると彼女は何を思ったのか、そんな事を言い放つ。
あろう事か本当に通話を切ろうとしたので、僕は端末をへし折らん勢いでガッと掴むと向こうで『うわぁっ?!』と拍子抜けた声が聞こえた。
「今の今まで人の気も知らずに何処ほっつき歩いていたンだい……?」
『ヒッ?!ちょ、その顔で言われるとめちゃ怖……』
「君と連絡が取れない間、この僕がどれだけ大変だったか分かるかい……?君の心配をする者、そのせいで色々とありもしない捏造話を流す者、ソレを鵜呑みにした阿呆共……その全てを抑え説き伏せながら革命の為にこの船内の環境を整え、整備し、政府の動きを探って万が一にも君が攫われていないかを確認しつつ作戦の詳細を練る事がどれだけ大変か君には想像すら出来ないだろう??たかが物言い一つ気に入らないからって何の考えもなしに飛び出すのはやめてくれない?いい迷惑だよ、本っっ当に!!」
『………………』
本当はもっともっと言いたい事があった。あぁ、あったよ、山程。1日じゃ足りないぐらいある。
でも僕は理性ある白質市民だからね。そこまでで留めておいてあげたよ。
しかし彼女は反省してるのかそうでないのか。
ジトッと僕を見遣り、わざとらしく溜息を吐いた。
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*IJu*(プロフ) - ハムエッグさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで嬉しいです(ㅅ´꒳` )これからも更新がんばります〜! (2月7日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ハムエッグ(プロフ) - この作品好きすぎて一気見しちゃいました.....!! (2月6日 16時) (レス) @page26 id: e9b251311b (このIDを非表示/違反報告)
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