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ページ17

「ごめんね、SQ。セツと先に約束してたんだ」

「…!」

「そかそか〜、ザンネン。んじゃまた今度NE!」



Aがそう言うと案外、簡単にSQは引き下がり、そのまま来た道を引き返して行った。

そうして残された私は終始目を白黒させていたと思う。頭が追い付かなくて、呆然とAを見つめていたら、Aにクスッと笑われてしまった。



「ど……どうして……?」

「ん?だって私、セツとお話したかったんだもん」



まだ整理し切れなくて。色んな疑問を1つにして、ようやく口から零した。

そうしたらAは悪戯っ子のように笑ってそう言った。私の胸がまた高鳴った。


おもむろに、腕を掴んでいた私の手がAの手によって下ろされる。そうして優しく握られると、Aはほんのり頬を染めた。

トクトクと、心臓の鼓動が早くなる。
私はAの手を握り返すと、Aは照れくさそうに笑った。



「……えへへ、何だかセツとこうやって話すの、久しぶりだね」

「う、うん…そう、だね。最近は……A、他の乗員と仲が良いから……」

「うん、頑張ってるんだ。セツも頑張ってくれているから」

「そんな…!Aはいつも頑張っているよ!寧ろ、頑張り過ぎてる所も…」

「それはセツもだよ。セツは私が困ってるといつも助けてくれるもの」



久方振りの、彼女との会話。
特に何でもない話なのに、どうしてこうも心が弾むのだろう。

心地好い彼女の声を聞き、ふわっと体が軽くなったようにも思えた。きゅっ、と彼女の手を握ると彼女も握り返して来て、頬を染めてはにかんだ。



「…ね、セツ。この後、暇?」

「えっ?…うん、暇だよ」

「じゃあ私の部屋でお話しようよ?
最近話してなかったから、セツのお話聞きたいな」



思ってもみない提案に私の胸が一層高鳴る。
あまりにも嬉しくて、握り締める手に力が入ってしまい、Aに「いたい」と苦笑いされてしまった。

慌てて手を離そうとしたけれど、Aがそれを許さなかった。指を絡め、深く繋ぎ止めて、そっと顔を上げる。


ユラユラと揺れる濡れた瞳は、仄かな熱を秘めていた。



「……うん。じ、じゃあ、行こっか……」

「うん、行こ!」



私はゆっくり頷くと、Aは弾んだ声でそう言って、私の手を引き部屋へと向かった。

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*IJu*(プロフ) - ハムエッグさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けているようで嬉しいです(ㅅ´꒳` )これからも更新がんばります〜! (2月7日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
ハムエッグ(プロフ) - この作品好きすぎて一気見しちゃいました.....!! (2月6日 16時) (レス) @page26 id: e9b251311b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年12月17日 0時

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