▼恩人 ページ15
A「っ……？！」
灰凪さんは勢いよく振り返る。
しまった。
僕とした事が、灰凪さんに気をとられすぎて足元に注意していなかった。
今のパキッという音は僕が踏んで折れてしまった枝から発せられたものだ。
A「……お前…！？」
皆帆「やぁ、奇遇だね。こんな所で会うなんて」
僕は偶然を装って彼女に話しかける。
尾行してたの、バレてないよね？
A「…あんたも墓参りか？」
皆帆「ま、まぁ、そんな所だよ」
良かった、信じてくれているようだ。
僕は彼女の隣にしゃがみ込むと、墓石に手をあわせる。
皆帆「まさか灰凪さんもお墓参りだなんて。
しかも、僕の父さんの」
そう、今目の前にある墓石には僕の父さんの名前が彫られている。
彼女は先ほどから僕の父さんと話していたのだ。
A「…随分と世話になったからな」
皆帆「へぇ…何かしたの？」
A「そんなんじゃねぇよ」
灰凪さんは僕を睨む。
本当に何もしていないのかな？
A「…彼は、私の恩人だ」
皆帆「恩人…？」
A「ああ、私を世話してくれて、私を助けてくれた。この命があるのも、あんたの親父さんのおかげだよ」
灰凪さんは自分の胸に手をあて、微笑んだ。
A「……それなのに…私は…………」
急に表情が険しくなる。
その瞳は揺らめいていて、今にも涙が溢れてきそうだ。
皆帆「…良かったら、僕に話してくれないかな？」
僕は彼女の目を真っ直ぐに見ながら話す。
灰凪さんも僕から目を背けずに、真っ直ぐに僕の目を見る。
A「………」
皆帆「………」
沈黙。
互いに口を開かず、ただただ見つめ合う。
周りから見ればロマンティックだとか思うだろうけど、もちろんそんな事じゃなくって。
A「……ごめん、無理だ」
しばらく見つめ合い、沈黙を破った一言。
灰凪さんは一度僕から目を背け、拳を握る。
A「まだ…まだ、私には覚悟が出来ていない」
皆帆「覚悟…？」
灰凪さんは一息間をおいて、こう言った。
A「…あんたを失う覚悟だ」
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ルナストーン(プロフ) - 分かりました。そういえば灰凪（であってますか？）さんはまだ心を開いてませんでしたね…完全に忘れてました… (2020年10月11日 17時) (
レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ルナストーンさん» それだと夢主ちゃんの性格的に素直過ぎる気が……()この時夢主ちゃんはまだそこまで心は開いてないと思うので……うーん、日本語って難しい……とりあえず文章ちょっと自分なりに直してみますね…！ (2020年10月11日 17時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - ＊IJu＊さん» そうですかーならば（？）ー仕方ないですねーｱﾊﾊー（棒）（「忘れないでおこ」にしてみては…？） (2020年10月11日 17時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ルナストーンさん» 少なくとも自分はその2パターンが浮かんだので。でも結構前の文章なので多分何も考えてないです(遠い目 (2020年10月11日 17時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ルナストーンさん» おそらく「すぐ忘れるやつじゃんw」ってツッコまれるのと「忘れなければずっと覚えてるんだね」って風に読者で解釈してもらうやつだと思います……大分前に書いた文章なので確証はありませんが。 (2020年10月11日 17時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
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