思うところ ページ45
翌日、Aは普段と変わらぬ1日を過ごしていた。
1つ違う事と言ったら、出前の帰りに河川敷に行かなかった事。
円堂が言っていたように雷門中サッカー部は校内地下にあるイナビカリ修練場で特訓をしている為、河川敷で練習をしている所は見なかった。
彼女もそれを知っていたので、出前に行って珍しく真っ直ぐ帰って来た為、響木から「珍しいな」と言われたぐらいだ。
寧ろ、響木から見たら心做しか元気が無いようにも見えた。
「……フンッ、別にいいじゃない。いつもみたいに駄弁ってオシゴトおサボりしてるワケじゃないし？」
それでも表面は取り繕おうとしているのか、彼女はいつも通りに返事を返しながら岡持をカウンターの上に置いた。
横目で響木を恨めしそうに見遣っていたが、ふと何を考えているのか、何とも言えない表情で何処か遠くを見つめるA。響木は息を吐くと「そう言えば、」と皿を洗いながら続けた。
「今日、あのホットケーキが売れたぞ」
「パンケーキよパ・ン・ケ・ー・キ！
何っ回教えたらいい加減覚えてっ……！」
途端に目を釣り上げ、響木を睨むA。
しかしすぐに目を丸く見張ると、数秒の間を置いて大きくその目を見開いた。
「うっ……う、売れたの？！」
「あぁ、売れたよ」
「ホントっ！！？」
「本当だ」
「……アンタの知り合いがお情けで頼んでくれた、とかじゃないでしょうね？」
「少なくとも、俺の知り合いではなかったな。というか……この辺では見かけない顔だった」
「………………マジ？」
カウンターから身を乗り出し、響木に問い質す。
無理もない。彼女が考案した新メニューであるパンケーキは今の今まで誰にも注文されていなかったのだから。
それもそうだろう。ラーメン屋でパンケーキなんかわざわざ頼んだりしない。食後のデザートにするには重過ぎるし、商店街内には喫茶店もあるのでデザートを食べるならそちらの方に行くだろう。
今までは出前に行く時だけ、数枚焼いて保温しておき、自分がいない間に注文されても出せるようにはしていたが、注文される事はなく、毎回彼女自身が消費していたのだが。
彼女が確認すると確かに1人前分の枚数が保温していたホットプレートから無くなっており、Aはようやく実感すると、珍しく嬉しそうな顔をした。
そんな彼女の表情にようやく響木は安心すると、鼻で笑って「そんな事でいちいち大袈裟なヤツだ」とボヤいて、いつも通り彼女に怒鳴られた。
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真昼 - 久しぶりに見て見ました。更新されていて、嬉しかったです\(//∇//)\ (2023年1月15日 0時) (
レス) @page34 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます！いずれ絡ませたいとは思っていますが、いつになるのかはごめんなさい、作者も分かりません……基本無計画なので(殴)更新も遅いですが、でもゆっくりでも頑張りますー！ (2022年10月10日 16時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 更新頑張ってください (2022年10月10日 14時) (レス) @page17 id: e325fc5c3e (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 帝国キャラと女主が関わってほしいです。 (2022年10月10日 14時) (レス) @page17 id: e325fc5c3e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ちゃんちゃんさん» コメントありがとうございます！恐縮です…それだけ楽しんで頂けているようで作者、感無量です…！！ありがとうございます！ (2022年9月20日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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