初めて聞いた ページ29
「おわっ？！Aサン？！い、いつの間に……」
「来ちゃ悪いかしら？」
「い、いいえいいえ！滅相もございまセン！
どうぞどうぞ、ごゆっくり……！」
「「……？」」
Aを見るなり態度を豹変させる土門に事情を知らない秋と春奈は顔を見合わせる。
土門は踵を返して「じゃ、練習してくる！」と早々にその場を離れようとした。
それをAが「待って」と引き止めると、土門は渋々足を止め、恐る恐る振り返った。
「な、何ですか？Aサン？？」
「……」
内心冷や汗をかきながらも、土門は彼女に声をかける。
が、Aは無言でツカツカと土門に歩み寄ると、じぃっと土門の顔を覗き込む。
鋭いレモン色の瞳は見透かされているようで。見下されているようで。
身長の関係で土門の方が目線は上なのに、何故だか見下ろされているような感覚に陥り、蛇に睨まれた蛙のように暫く動けなかった。
不意に、Aは彼に手を差し伸べる。
その行動の意味がわからず、土門はまだ警戒しつつも不思議に思っていると、Aはおもむろに口を開いた。
「
「…………えっ？」
「アタシからは皆に挨拶したけれど、アナタの名前は直接聞いていなかったような気がして。
改めて、アタシはA。雷々軒でクソジジイに扱き使われてるしがないバイトよ。よろしくね」
「えっ……？？」
Aの言葉に土門は一瞬わけが分からなかった。
思わず目を白黒させるが、また表情を強ばらせる。
「…………土門、飛鳥……です」
「土門……飛鳥？ふぅん……変な名前。
「………えっ？？？」
また土門は拍子抜けした顔で目を瞬かせる。
そんなはずは、と一瞬思ったが、次の瞬間には『有り得る』とどこか腑に落ちて、喜べばいいのか憤ればいいのか、複雑な感情でモヤモヤしてしまう。
対してAは悪びれる様子など一切なく、握手を求める手を引っ込める事なく、またじぃっと土門を見遣る。
土門は1つ溜息を吐くと、どこかホッとしたように微笑んで、差し出されたその手を握った。
「……よろしくな、Aチャン」
「ちゃん付けは止めて」
「あ、ハイ」
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真昼 - 久しぶりに見て見ました。更新されていて、嬉しかったです\(//∇//)\ (2023年1月15日 0時) (
レス) @page34 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます！いずれ絡ませたいとは思っていますが、いつになるのかはごめんなさい、作者も分かりません……基本無計画なので(殴)更新も遅いですが、でもゆっくりでも頑張りますー！ (2022年10月10日 16時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 更新頑張ってください (2022年10月10日 14時) (レス) @page17 id: e325fc5c3e (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 帝国キャラと女主が関わってほしいです。 (2022年10月10日 14時) (レス) @page17 id: e325fc5c3e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ちゃんちゃんさん» コメントありがとうございます！恐縮です…それだけ楽しんで頂けているようで作者、感無量です…！！ありがとうございます！ (2022年9月20日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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