秘伝書 ページ21
「野生中相手に新必殺技も無しにどうやって戦うんだよ」
それぞれに注文のラーメンを出した後、風丸は困った顔で遠藤に尋ねる。
その様子をAはいつも通りカウンター越しに聞いていた。
「俺は皆を信じる！」
「「はぁ？」」
対して、ラーメンを啜った後に円堂はそう言った。
その言葉に話を聞いていたAと風丸の声がハモる。
しかし円堂は曇り無き眼で更に続けた。
「例え新必殺技がなくたって、やってくれるよ！
思い出せよ、俺達『イナズマイレブン』になるんだぜ！」
「……アンタ、相変わらず根拠の無い自信をぶら下げてるのね」
「根拠ならあるさ！Aだって試合見てたんだからわかるだろ？」
「いや、まぁ……見たけどさ」
「A、手が止まってる」
「ｯﾁ……分かってるわよ、このクソジジイっ……！」
「(本当にクソジジイって呼んでる……)」
妙に熱い円堂にAは思わず目を眇める。
彼の熱意と自信にはたまに付いて行けない所があった。
だが話の途中で響木に注意され、Aは舌打ちをするとネギを切る作業を再開させた。
「イナズマイレブンか……」
「……」
「はぁ……爺ちゃん達、どんな必殺技持ってたんだろう……知りたいなぁ……」
「……イナズマイレブンの秘伝書がある」
「へー…秘伝書なんてあるんだ」
「なーに書いてあるんだろう……」
「………………うん？」
頬杖を付いて考える円堂に響木がボソッと一言。
ぼんやりとしていた彼等は最初、その言葉にもぼんやりと返し、Aも内心同じように聞き流していたが、はたと手を止めた。
顔を上げ、響木を見遣る。
すると円堂と風丸も気付いたのか、次の瞬間に思わず席から立ち上がった。
「「えぇっ？！秘伝書だって！？」」
「おいクソジジイ、ちょっと待てゴラ」
そのまま奥に引っ込もうとした響木の襟首をAが掴み、引き摺り戻す。
響木は迷惑そうな顔をしていたが、溜息1つ吐くと厨房に戻り、彼等に背中を向けてスープの鍋を覗き込んだ。
「ノートじゃないの！？スゴ技特訓ノートなら俺ん家にあるよ！？」
「ノートは秘伝書の一部に過ぎん」
スープを掻き混ぜようとお玉を取った所で、響木はおもむろに振り返る。
カウンター越しに目を輝かせる円堂を目が合う。
響木はそんな彼にある人の面影を重ねた。
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真昼 - 久しぶりに見て見ました。更新されていて、嬉しかったです\(//∇//)\ (2023年1月15日 0時) (
レス) @page34 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます！いずれ絡ませたいとは思っていますが、いつになるのかはごめんなさい、作者も分かりません……基本無計画なので(殴)更新も遅いですが、でもゆっくりでも頑張りますー！ (2022年10月10日 16時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 更新頑張ってください (2022年10月10日 14時) (レス) @page17 id: e325fc5c3e (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 帝国キャラと女主が関わってほしいです。 (2022年10月10日 14時) (レス) @page17 id: e325fc5c3e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ちゃんちゃんさん» コメントありがとうございます！恐縮です…それだけ楽しんで頂けているようで作者、感無量です…！！ありがとうございます！ (2022年9月20日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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