別にそこまでは ページ18
「…ま、まぁ！ちゃんと練習してるみたいで良かったわ！
元々は弱小チームだったワケだし、ユルユルな練習でもしてると思ってたから！……練習内容はさっぱりだけど」
ふと彼女は自分のペースを取り戻すべく話題を変え、ふと先程使用していた高所作業車を見上げた。
すると円堂がいつも雷々軒でも話す時のように嬉々としてFF第1回戦の相手となる野生中の特徴と、ソレに対抗する為の作戦を語る。
その話にAは一瞬納得しかけたが、それでもやはり変な練習内容だなと再び高所作業車を見上げた。
「まぁ……こんなん使うのはよく考えたと思うけれど。で？練習の成果はどう？」
「ははは〜……それが全然……」
「でしょうね。
「あはは！ぶっ飛んでるよねぇ〜」
「……そう思ってるなら言いなさいよ」
Aに言われてマックスはへらっと笑って「だって面白そうだったから」と返し、Aは呆れたような顔をする。
これには他の部員も同じく呆れ、円堂も思わず苦笑いを浮かべた。
「ま、精々お粗末な試合繰り広げたりしないでよ。折角出れたのに1回戦敗退〜、なんてカッコ悪いんだから」
「勿論！目指すは優勝！ただそれだけだ！」
円堂はガッツポーズと共に大会優勝を宣言する。
キラキラと希望に満ち溢れた瞳が眩しくて、Aは思わず目を細める。
彼女にとっては目の前のサッカー少年はとても珍しく、それ故に新鮮で、しかし何処か懐かしくも思えた。
勝つかどうかもわからないのに、その自信に満ち溢れた円堂の表情にAは思わずふっ、と微笑むと、ポツリと口から言葉が溢れた。
「……別にそこまでは行かなくてもいいケドね」
「えっ？」
「ううん、何でもない。
それより無様な試合にだけはしないでよね。
このアタシがちゃんと見に行ってあげるんだから」
「ホントに？！来てくれるのか？！」
「ちょっ……い、行くから！ちゃんと行くって！」
彼女の言葉に円堂は嬉しそうな顔でAを見遣る。
キラキラとした純粋な瞳を向けられて居た堪れなくなったAは、1歩後退ると思い出したかのように岡持ちを持って踵を返した。
「じ…じゃ！練習、頑張んなさいよ！」
「おう！またなA〜！！」
「…」
そのまま逃げるように河川敷を後にするA。
去り際に円堂は大きく手を振って見送り、Aは1度だけ振り返り、何も言わずに去って行った。
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真昼 - 久しぶりに見て見ました。更新されていて、嬉しかったです\(//∇//)\ (2023年1月15日 0時) (
レス) @page34 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます！いずれ絡ませたいとは思っていますが、いつになるのかはごめんなさい、作者も分かりません……基本無計画なので(殴)更新も遅いですが、でもゆっくりでも頑張りますー！ (2022年10月10日 16時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 更新頑張ってください (2022年10月10日 14時) (レス) @page17 id: e325fc5c3e (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 帝国キャラと女主が関わってほしいです。 (2022年10月10日 14時) (レス) @page17 id: e325fc5c3e (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ちゃんちゃんさん» コメントありがとうございます！恐縮です…それだけ楽しんで頂けているようで作者、感無量です…！！ありがとうございます！ (2022年9月20日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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