リボンの檻 7 【真名部陣一郎】 (ページ4)

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△リボンが295こ▽ ページ4

「……なんですか、ソレ」

話を聞いて、真名部は低い声で呻くように呟く。

グツグツと真名部の中で煮え滾る感情。
かつての親友が話した話の内容に憤りを覚えた。

当然だろう。何せ皆帆達の話した情報はAの情報だ。そんな事を話せば彼女が捕まる可能性がグンと上がってしまう。

その上、自分を見張っていろだの、殺されたのが5人ではないだの、妙なニオイがするだのとある事ないこと散々言われては腹が立たない方が可笑しい。

更に警察は数日前にこの話を聞いたと言うのだ。
つまり、真名部が今しがた話した話が嘘だという事は最初からバレていた。

それなのに自分の話を最後まで聞いて。
聞いてからそんな事を話し始めて。
今までの時間を返して欲しいとさえ真名部は思った。

きっと自分は今まで、試されていたんだ。

本当に皆帆が言うように、まだ彼女を想っているのかいないのか。

そうして、ソレは証明されたのだろう。

自分は未だに彼女を想っているのだと。

今までの話は嘘なのだと。

自分は犯人側の人間なのだと。

「試すような事をしてしまい、すまない。
だがキミの友人からの証言もあってね…確認させてもらったよ」

「意味が、わかりません…
皆帆くん達が本当の事を言っているとは限らないのに」

「キミのその動揺が何よりの証拠だ。
それに真名部くん。キミは最初、私の質問にうんともすんとも言わなかったのに、この写真を見せた途端に口を開いた。それも、庇うような発言をした。

キミの友人の話と照らし合わせると…残念だけど、皆帆くん達の話の方が信憑性が高いと判断した」

「なんなんですか、それっ…！！」

遂に真名部は立ち上がり、目の前の男共を睨む。

真名部の態度の豹変に母は「じんちゃん…！」と言葉で諌(いさ)めようとするが、生憎今の真名部に母の言葉は届かなかった。

「貴方方も僕を信じてくれないんですかっ？！
どうして信じてくれないんですかっ？！

彼女はただ寂しかっただけ…寂しがり屋なだけなんですよ…！だからっ…」

「だから4人の人間を襲い、キミを誘拐し、デパートで男を殺した？
…それはもうただ(・・)ではすまない。
理由がなんであれ、立派な犯罪だ」

「〜〜〜〜っ！！」

言葉が返せなかった。
それどころじゃなかったから。

頭が沸騰しているかのように熱くなり、真名部は拳を堅く握る。
自分を騙し、試すような事をしておいて
彼女を犯人と決め付けるその行いがあまりにも汚く見えた。