リボンの檻 7 【真名部陣一郎】 (ページ21)

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△リボンが312こ▽ ページ21

ふと、真名部が目を開けると外はもうオレンジ色に染まっていた。
一瞬、また夢を見ているだけなのかと思ったが違った。
どうやら随分と眠ってしまっていたらしい。

机に突っ伏した状態で眠っていたので、おもむろに真名部は起き上がるとその場で目いっぱい伸びをする。

ﾊﾞｷﾊﾞｷと身体の節々が鳴る。
自分で「凄い音だ」と思ったが、おかげで少しスッキリしたような気がした。

不意に〝ﾊﾟｻｯ〟と音がして振り返ると、そこには真名部がいつも使っていたあの毛布が落ちていた。

どうやらコレを掛けて自分は眠っていたらしい。
しかし、寝る前にコレを肩に掛けた記憶なんて真名部にはなかった。

………となると、

「……そう言えば……」

気付いて真名部は顔を上げる。
部屋全体を見渡すが、そこにAはいなかった。

「まさか、また…」と一瞬心臓が跳ねたが、風呂場から聞こえるシャワーの音を聞いて、胸を撫で下ろす。

どうやらAはシャワーを浴びているようだった。

「(良かった…また知らない間に外に出ているのかと……)」

また1人家に取り残されたのかと思ったが、ただシャワーを浴びているだけなら何の心配も無い。
彼女が上がって来るのをただ待っていればいい。

そう考えた真名部は、1人で何もしないのも暇なので
テレビのリモコンを操作して、電源を入れた。

ﾊﾟｯと映るニュース番組。
丁度『女子中学生ストーカー事件』についてのニュースが報道されていた。

そのニュースによると、とある女子中学生が異性の学生にストーカー行為をしていたんだとか。

多少興味はそそられたものの、特に詳しくを頭に入れる気はなく、ただぼんやりと流れるニュースを真名部は眺める。

そのうち自分達の事件についても報道されるものかと思ったが、そんな事はなかった。

自分達とは関係ない事件についてのニュースが
ただひたすら流れるだけ。

……違和感を感じた。

いつもなら、早ければその日の内にニュースになっていたものなのだが。
明朝に真名部が逃げ出してから、そろそろ夜に入るというのに未だ自分の事については触れられない。

過保護な両親の事だから、真名部がいなくなったのを知ればすぐ警察に通報して事件が発覚しそうなものなのだが……