リボンの檻 7 【真名部陣一郎】 (ページ16)

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▲リボンが307こ▼ ページ16

カズヒコパパが直接家に来たの。
『ママいない？』って。
『お出掛けしてるよ』って答えたら『じゃあそれまで待ってるわ』ってズカズカ家に上がり込んで来たの。

カズヒコパパはいっぱいタバコを吸う人だけど、ママみたいに暴力は振るわない人だった。
ママのいない所では優しく接してくれる人だった。
でも時々、身体を触って来るから嫌いだった。

待ってる間は普通にお喋りもしたし、それなりに平穏だったけど、夜になってもママが来ないと次第にイラつき初めて。
遂にカズヒコパパはママにするのと同じような触り方で、私の身体に触れた。

すぐ逃げたけど、カズヒコパパはそれでも私に触れようとした。だから私はキッチンに行って、またフライパンを使った。
そうしたらカズヒコパパも動かなくなった。

どうしよう、とは思ったけどママの時みたいショックではなかった。だってこの人、好きじゃないし。気持ち悪い人だったから。

でもこのままだと、またママみたいに臭くなると思って、私はカズヒコパパもママの所に運んだの。
だけどカズヒコパパをママの隣に寝かせるのは嫌だったから、適当に部屋の中に放っておいた。

いつも散々ママの隣で寝てるんだもん。
私はママと寝れないのに。
だから、それぐらい、いいよね？

次はヒロパパだった。

カズヒコパパが来て2日経った日に今度はヒロパパが来たの。
ヒロパパもママに用があったみたいで、カズヒコパパの時と同じように答えたら、同じように答えて、同じようにズカズカと家に上がり込んで来た。

ヒロパパは酒癖が酷くて、ママみたいに突然怒ったり殴ったりする人だから嫌いだった。
でも気分がいい時はママに内緒でお買い物に連れてってくれたり、お菓子とかくれる人だった。

ヒロパパもカズヒコパパと同じだった。
夜までママを待って、イライラして、その内私に手を出す。
だからカズヒコパパの時と同じように、ヒロパパも殺した。

3人目ともなると感触にも慣れて、何にも感じなかった。
「邪魔だなぁ」「運ぶの面倒だなぁ」ぐらいにしか思わなかった。

勿論、ヒロパパも運んだよ。
それで、カズヒコパパと同じ所に置いた。

置いて、もう二度とその部屋の扉は開けなかった。